野田元首相「党首討論のつもりで」菅首相に危機管理の姿勢ただす
THE PAGE
衆院予算委員会で15日に行われた集中審議で、立憲民主党の野田佳彦元首相が菅義偉(よしひで)首相に危機管理の姿勢をただした。週末に宮城・福島で起こった地震や森喜朗元首相の発言をめぐる問題、コロナ禍で膨れ上がった債務などについて新旧首相が論戦を繰り広げた。 【国会中継】衆院予算委 菅首相出席でコロナ対策など集中審議
●なぜ首相公邸に住まないのか?
「きょうは予算委員会の質疑というよりも党首討論のつもりで質問をしたい」 久しぶりに予算委員会の質問に立ったという野田元首相。「安倍総理、覚えていますか」と切り出した2016年2月以来のことで、このときは自身が民主党政権の首相だった時代に当時野党だった自民党の安倍晋三総裁とかわした議員定数削減をめぐる「約束」が守られていないと訴えた。 この日は安倍前首相の後継である菅首相に対し、危機管理をめぐり質問した。 13日深夜に宮城県と福島県で震度6強を観測した地震について、東京・赤坂の議員宿舎に住んでいる菅首相が地震発生後に首相官邸に到着するまで約20分かかったとして「なぜ首相公邸に住まないのか」とただした。 「首都直下地震だったらどうなったか。道路が陥没したり倒壊した建物で道路が寸断される可能性がある」「自然災害だけじゃない。北朝鮮がミサイルを日本海に向けて発射した。10分で着弾する。1分、2分が大きい」とも指摘した。 それに対し、菅首相は「公邸に入居するかどうかに関わらず、さまざまな緊急事態に政府がいち早く対応することが大事だ。宿舎に住んでいることが、あまりにも影響があり過ぎるということであれば考えないといけないが、現状、内閣総理大臣として危機管理については政府の中で連携しながら国民の皆さんの命を守ることができる」と反論した。 野田氏はアメリカ大統領のホワイトハウス、イギリス首相のダウニング街10番地、フランス大統領のエリゼ宮、韓国大統領の青瓦台など世界の首脳の例を挙げ、「みんな職住近接のところに住んでいる。1億2000万人の国民の生命と財産を守る責任感を持っているのなら、ぜひ公邸に入っていただきたい。これは批判ではなく提言としてぜひ受け止めていただきたい」と注文をつけた。