国会「本当は早く閉じたいんでしょ?」辻元氏が安倍首相を問いただす
第2次補正予算案の実質審議が始まった9日の衆議院予算委員会。安倍首相ら関係閣僚が出席して行われた基本的質疑では、6月17日までが会期の通常国会をめぐり、立憲民主党の辻元清美幹事長代行が安倍晋三首相の「本心」を問いただした。 【動画】衆院予算委 安倍首相ら出席し第2次補正予算案を審議
「辻元さんらしく、想像をたくましくしておられる」
「本当は早く(国会を)やめたいんでしょ?」 辻元氏は安倍首相の「本心」を想像してみせた。今年の通常国会は6月17日に会期末を迎えるが、通常国会は1回まで会期を延長することができる。 「(予備費)10兆円の使いみちも、5兆円はレッテルを貼っただけで中身はさっぱり分からない。オリンピックもパラリンピックもどうなるのか。来週(国会を)閉めるということは、もう国会で議論しないで『自分らで好きにやらしてもらいます』と言ってるに等しい」 予算委員会で実質審議が始まった第2次補正予算案をめぐっては、10兆円にも及ぶ巨額な予備費の計上が野党から問題視されている。予備費とは「予見し難い予算の不足に充てるため」のもので、国会の事前承認を経ずに内閣の判断で使いみちを決めることができる。野党からの批判を受け、そのうち5兆円については、雇用調整助成金や持続化給付金などに充てるとの大まかな内訳が示された。 辻元氏の挑発に対し、安倍首相は「政府としては、この国会、まだ会期が残っているので、国民の皆さまにとって極めて重要な補正予算を早期に成立させたい」と述べ、「会期については国会がお決めになること」とかわした。 辻元氏は、持続化給付金の事務委託をめぐって一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」から電通に再委託された問題や、黒川弘務・東京高検検事長の賭けマージャン問題、河井前法務相夫妻の選挙違反事件などを持ち出し、「こういうことがあるから、国会を開いていて、いろいろ質問されたり言われたら嫌やなあと、そういうこともあるんじゃないですか? だから心の中では早く閉じたいなあと思ってるんですか?」とさらに挑発。 それに対し、安倍首相は「いろいろと辻元さんらしく、想像をたくましくしておられるんだろうと思うが」と笑いを誘った上で、「そもそも憲法によって、我々は国会から求められれば、総理大臣として、国務大臣として出席して、説明責任を果たしていくことは当然義務であろうと思っている」と述べた。