通信制高校・大学が人気に!? 自分らしさを大切にする世代は、学び方も自分らしく
中学卒業後、直接通信制高等学校に入学する割合が増加
通信制高等学校生の年齢層を見ると、特に私立では若年化している傾向にあり、20歳以上の「学び直し」の生徒の割合は減少しています。反対に、中学校を卒業して間もない15歳の割合が2005年から2022年にかけて全体で12ポイントも増えており、中学校を卒業してすぐに通信制高等学校で学ぶ生徒が増えていると考えられます。
1クラスの2人程度の割合で通信制高校が第一志望
2024年1月9日に東京都教育委員会より「令和6年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査」が公表されました。この調査は1976年度から実施されており、今回の調査結果は、都内区市町村立中学校と義務教育学校609校の卒業予定者7万8,108人を対象に、2023年12月13日に行われたものです。 近年、都立高等学校(都立高等専門学校も含む)第一志望者の割合は減少傾向にありますが、その一方で通信制高等学校等の志望者の割合が増えていることがわかります。2023年度(2024年3月)卒業予定者における通信制高等学校の志望者の割合は、2016年度卒業予定者の4倍以上に増加しています。公立中学校の1クラスに2人程度が通信制高等学校を第一志望校にしている計算です。今では通信制高等学校進学希望者は決して珍しくないといえるでしょう。 この傾向は東京都だけの動きではありません。神奈川県は2014年度1.6%→2023年度4.4%、埼玉県は2015年度1.4%→2023年度6.1%※と、同様の動きが見られます。 「みんなと同じ全日制に通わせたいので、通信制高校には行かせたくない」「通信制高校のメリットはわかりますが、世間体が気になります」といった中学生保護者からの相談を受けることがあります。「みんな」と同じように高校生活を過ごそうと、無理をして全日制高等学校に進学した結果、学校に適応できず、通信制高等学校に編入することになった例をこれまで多数見てきました。 それが最近では、通信制高等学校にネガティブなイメージを持つ中学生・保護者は減っているように思います。「自分らしい高校生活」「わが子らしい高校生活」を送るために、積極的に通信制高等学校を選択する中学生・保護者が増えているのでしょう。 ※神奈川県教育委員会「令和5年度 公立中学校等卒業予定者の進路希望の状況 」、埼玉県教育委員会「令和6年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和5年12月15日現在)」、埼玉県教育委員会「平成27年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(平成26年12月15日現在)」