大谷翔平がイチローや野茂を超えて正真正銘の「MLBの顔」になったといえるワケ
■大谷の出場試合はどれほど観客が集まるのか 対戦した22チームの内20チームで、大谷が出場した試合の観客動員が、平均の動員数を上回っている。それも大きく上回っているチームが多い。 激増しているのがオークランド・アスレチックス。このチームは本拠地をラスベガスに移転することが決まっているため、ほとんどマーケティングを行っていない。平均観客数はMLB最下位の1.1万人。一部のチケットが1000円程度で投げ売りされているが、大谷が出た試合は2.7万人も観客が詰めかけている。
■大谷の出場試合は平均観客数が増加 大谷の古巣のエンゼルス、今季、1901年以来最多の121敗を記録したホワイトソックスやタイガース、レッズなどでも観客が大幅に増えている。ここまで観客が増えると、大谷の出場試合では、観客席の景色が違って見えたはずだ。 観客数が平均より少なかった2チームのうち、ツインズは4月8日からの3連戦だったが、この3日間は曇り、摂氏9度前後と極端に寒かった。まだ開幕直後で「大谷ブーム」は起こっていなかったこともあり、閑散としていたようだ。
同じ西地区のライバル、パドレスの主催試合が、平均より少し少なかったのは、3月20日、今季の開幕戦が韓国の高尺スカイドームという1.5万人しか入らない球場で行われたからだ。超満員の1万5952人が入ったが、本来の本拠地、ペトコパークなら4万人以上入ったはずで、その1試合が響いて平均を下回ったのだ。 22チームの主催試合の平均観客数は2万9296人、これに対し大谷が出た試合は3万6422人と24.3%も多くなっている。ちなみに2023年、ドジャースのロードでの観客動員は1試合平均3万2292人だったから、今季は12.8%も多くなっている。相手チームも大谷が試合に出場するのは大歓迎だったはずだ。
大谷はホーム81試合で28本塁打、ロード78試合で26本塁打と、敵地でも変わらないペースで本塁打を量産した。これも、大谷人気に拍車をかけたのだろう。 大谷が昨年まで在籍したロサンゼルス・エンゼルスは、昨年、主催81試合で264万0575人。1試合平均3万2600人を動員していたが、今季は257万7597人、1試合平均3万1822人と観客数を減らしている。 MLB全体では昨年は7074万7365人、1試合平均2万9114人を動員したが、今季は7134万8366人、1試合平均2万9374人と微増している。