大谷翔平がイチローや野茂を超えて正真正銘の「MLBの顔」になったといえるワケ
■野茂英雄やイチローとも違う大谷の注目度 そもそもインターリーグの拡大は、ファンにより多くの対戦カードを組んでさらなる興味を引き付けようという意図で実施されたが、その目玉は「大谷翔平」だったといわれている。 野茂英雄、イチロー、ダルビッシュ有、田中将大と、これまでもMLBで活躍して話題になった選手はいた。 しかし、これらの選手は「日本国内で大騒ぎしているほどに、アメリカでは取り上げられていない」場合が多かった。彼らはもちろん一流選手だったが、他のメジャーのスター選手に比べて、とびぬけて注目度が高かったわけではない。
しかし、今季の大谷翔平は、MLBの公式サイトで、ほぼ毎日トップでその活躍が伝えられ、試合の写真が大きく紹介された。 公式サイトの「Suggested Follows」というファンに選手をSNSでフォローすることを提案するコーナーの筆頭にも大谷翔平の写真があった。 大谷翔平は正真正銘の「MLBの顔」、トップスターになったのだ。 ■大谷翔平はスポーツの壁を越えて注目 MLBは「Old Ball Game」といわれる。競合する「北米4大プロスポーツ(NFL=アメリカンフットボール、NBA=バスケットボール、NHL=アイスホッケー)」の中では、ファンの年齢層が高く劣勢だといわれているが、同じロサンゼルスに本拠地を置くNBAレイカーズのスーパースターのレブロン・ジェームズが、大谷翔平の50-50達成をX(旧ツイッター)で祝福するなど、スポーツの壁を越えて注目されつつある。
野茂英雄がMLBに挑戦して29年目の今年、我々は初めて日本発の「スーパースター」を輩出したといってよいのではないか。
広尾 晃 :ライター