大谷翔平がイチローや野茂を超えて正真正銘の「MLBの顔」になったといえるワケ
それから1カ月足らず、150試合目の9月19日には6打数6安打3本塁打10打点という歴史的な打棒大爆発で、前人未到の50-50を達成した。 終わってみれば「二刀流の大谷翔平が、バットだけに専念すれば、こんなにすごい記録が達成できるんだ」ということではあるが、日本のみならずアメリカの野球ファンも、唖然としながら大谷の大活躍を見守った。 日本では大谷が移籍した2018年以来、スポーツニュースのトップで大谷を報じてきたが、今年はMLBの公式サイトも、ESPNなどのスポーツサイトも、トップの大見出しで連日、大谷の活躍を報じるようになってきている。ちょっと信じられないような事態になっているのだ。
大谷翔平は、競技でものすごい記録を次々と打ち立てているだけではない。観客動員という点でも、すさまじい数字を叩きだしている。 ■大谷は敵地の試合でも観客を集める 記録サイト「Baseball Reference」によると、今季から所属するロサンゼルス・ドジャースは、昨年の段階でも主催81試合で383万7079人、1試合平均4万7371人を集客した。これはMLB30球団でトップの数字だ。 今季のドジャースは、同じく主催81試合で394万1251人、1試合平均4万8657人を集めた。昨年より2.7%の増加だ。
これも「大谷効果」かもしれないが、もともと連日満員に近い本拠地ドジャースタジアムでは、大谷人気による動員増はあまり感じられない。実は、大谷は敵地の試合(ロード)でも、大観客を集めているのだ。 昨年からMLBはインターリーグ(交流戦)の枠を広げ、各チームは両リーグのすべてのチームと対戦することとなった。 ドジャースは、ロードで22チームと対戦した。それらのチームの平均観客数(A)と、大谷が出場した試合の平均観客数(B)を並べるとこうなる。(%)は、大谷出場試合と、すべての試合の平均観客数の比だ。