なぜ女子スピードスケート1500m銀メダルの高木美帆は金メダルへ「0秒44」届かなかったのか…「悔しい…本当にそれだけ」
北京冬季五輪のスピードスケート女子1500mが大会4日目の7日、北京市内の国家スピードスケート館で行われ、この種目で世界記録を持つ高木美帆(27、日体大職員)が1分53秒72で2位に入り、前回平昌五輪に続いて銀メダルを獲得した。 今大会の日本選手団主将を務める高木は、出場する5種目のなかで金メダル獲得の大本命にすえる得意種目で、スタートから積極的に飛ばすも中盤以降で徐々に失速。平昌五輪の金メダリストで、高木の3組前に1分53秒28の五輪新記録をマークしてトップに立っていたイレイン・ブスト(35、オランダ)に0秒44届かなかった。 アントワネット・デヨング(26、オランダ)が1分54秒82で銅メダルを獲得。日本勢は佐藤綾乃(25、ANA)がデヨングに0秒10差の1分54秒92で4位に、高木の姉・菜那(29、日本電産サンキョー)が1分55秒34の8位にそれぞれ入賞した。
2大会連続銀メダルも「今回は金メダルを逃した悔しさが強い」
フィニッシュラインを滑り抜けた高木がすぐにタイムを確認する。直後から浮かべ続けた表情がすべてを物語っていた。平昌五輪に続いてメダリストにはなった。しかし、目指していた金色のメダルではなかった非情な現実が笑顔を奪っていた。 銀メダリストとして臨んだフラワーセレモニー後のフラッシュインタビュー。 心境を問われた高木は「率直な気持ちはやはり悔しいというか、本当にそれだけだなと感じています」と胸中を明かし、4年前との違いについて言葉を紡いだ。 「前回のオリンピックは金メダルを獲れなかった悔しさと、メダルが獲れた嬉しさが入りまじった1500mだったんですけど、今回はメダルが獲れたことよりも、金メダルを逃したことへの悔しさの方がすごく強いと感じています」 4年越しの夢を成就させるために、最終15組スタートの高木が気持ちを練り上げ始めた直後だった。場内に「オリンピックレコード更新」のアナウンスが響く。3つ前の12組を滑り終えたばかりのブストが右手を高々と、誇らしげに突き上げていた。