自民党が第88回党大会(全文1)改憲に向け国民投票法改正案の成立に全力
コロナに関して政府に提言多数
二階:第88回自由民主党大会にご臨席をいただきましたご来賓の皆さま、また日夜、自民党をお支えいただいております大会代議員並びに党員・党友の皆さまに心から御礼を申し上げます。昨年のわが党の情勢についてご報告を申し上げます。新型コロナウイルス感染症の拡大と、それに伴う戦後最大の経済の落ち込みというわが国にとって大変な危機ともいえる1年でありました。3月に開催予定であった党大会も延期となり、党大会に代わる両院議員総会において運動方針を決定し、党活動を行ってまいりました。 8月には、7年8カ月にわたりご活躍をいただきました安倍晋三総裁が辞意を表明され、その後の総裁選において菅義偉新総裁が選出されました。菅総裁は国民のために働くという強い信念の下に、直ちにスピード感を持って、多くの政策課題に真正面から取り組んでおられます。政府・与党は引き続き一丸となって国民の皆さんの期待に応えてまいりたいと思います。 選挙対策では緊急事態宣言下の4月には衆議院静岡4区の補欠選挙が行われ、見事勝利を収めることができました。また、6月に行われた沖縄県議会の選挙では自民党の当選者が18名と改選前よりも3議席伸ばす大きな成果をうることができました。政務調査会では日本での感染者の確認後、即座に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染拡大の防止策や医療体制の整備、水際対策の検査体制の拡充について連日議論を重ね、政府に対し数多くの提言を行いました。
デジタル技術を使った新しい選挙の手法を導入
また、社会経済活動についても経済成長戦略本部において、経済の回復に向けた議論を行うとともに、地方創生実行統合本部では自治体の施策を支援する臨時交付金の創設、拡充などを政府に求めてまいりました。さらにポストコロナを見据えて菅政権が掲げるデジタル社会の推進を踏まえたデジタル社会推進本部を党内に新たに設置し、政府に具体的な提案をしてまいりました。 10月に召集されました臨時国会において菅総理が2050年までに脱炭素社会の実現を目指すと宣言されたことを受けて、党としても2050年カーボンニュートラル実現推進本部を立ち上げ、全面的に支えてまいる体制をつくったわけであります。 本年、東日本大震災から10年の節目の年となりました。自民党は昨年、第9次となる提言を行い、復興の在り方や今後の課題解決について申し入れをいたしました。これからも東北に思いを寄せ続けるとともに震災後に各地で激甚化、頻発化する自然災害の脅威から国民の命と暮らしを守るために国土強靱化をさらに加速させてまいります。 組織運動本部は広報本部と協力し、デジタル技術を使った新しいコミュニケーションや選挙の手法を導入するとともに、党勢拡大と各級選挙の勝利に向け、友好団体との連携や党組織の強化に努めました。その結果、昨年の党員数は113万6445名と、党活動が制約された環境にもかかわらず、例年に比べて実に5万名の多くの党員を増やしていただくことができました。これもひとえに党員・党友の皆さまの日常のご努力のたまものであり、心より感謝を申し上げる次第であります。引き続いて党の掲げる120万党員という目標に向かって、皆さんのいっそうのご協力をお願い申し上げるものであります。目標の早期達成のために組織および各国会議員の目標数字を決定し、積極的に取り組んでいくことが重要であります。 国会活動では1月の通常国会、その後の臨時国会において本会議や委員会出席の緩和など感染症対策を講じながら審議を行ってまいりました。その間、緊急事態宣言の発令を可能とする新型コロナ特措法や、3次にわたる補正予算など、100年に一度ともいえる危機から国民の命や雇用、事業を守るためにスピード感を持って成立をさせてまいりました。 続いて会計報告を申し上げます。昨年の決算につきましてはお手元のとおりであります。収支の詳細につきましては政治資金規正法に基づき報告をし、総務省において公表されますのでご了承を賜りたいと思います。また、本年の予算につきましては現在、各部署と鋭意協議中でありますので、執行部にご一任をお願いいたします。