なでしこGK初のビッグクラブ移籍が実現。山下杏也加が勝ち取ったマンCからのオファー「サイズは関係ないと証明できた」
日常の変化が刺激。「鳥かごはずっと鬼のイメージ」
――ガレス・テイラー監督からは、プレー面での具体的な要求があるのですか? 山下:チーム戦術がしっかりしているので、今はそれをシェアしてもらっています。その上で、最終ラインからのビルドアップの練習では「ここにいてほしい」とか、「この場面はもう少しタメを作ってほしい」、「戻したらすぐに逆サイドに変えてほしい」と要求を明確に伝えてくれるので、急に試合に出た場合でも、役割がはっきりしているのでわかりやすいです。 ――開幕まで時間が限られている中で、それは大きいですね。通訳はついているのですか? 山下:監督と話す時は、今は隣で唯が通訳をしてくれています。「これはこういうことだよ」と、単語で切り取って教えてくれている感じです。 ――長谷川選手が通訳なんですか! 英語を自力で習得せざるを得ない環境でもありますね。練習環境やチームメートが変わった中で、練習の質や、自分の伸びしろをどんなふうに感じていますか? 山下:シュートが上手くて、決定力が高い選手が多いです。世界大会でしかそういうシュートを受けられない環境だったのが、日常の中で当たり前のようにトップレベルのシュートを受けられるようになったことはすごく大きい変化だと思います。ボールスピードが違うので、キャッチングも「はめにいく」という感覚では取れないし、手を出すタイミングを早くしようと取り組んでいます。それによってキャッチング能力が上がると思うし、シュートのタイミングをつかめると思います。 ――最終ラインにはスペイン代表のライア・アレシャンドリ選手やイングランド代表のアレックス・グリーンウッド選手など、ビルドアップが得意な選手もそろっていますが、ディフェンス陣の印象はいかがですか? 山下:いてほしいとこにいてくれるし、スペースがあれば運んで、相手を引き付けてサイドチェンジしたりと、常に意図があって無駄のない判断をしているので頼もしいです。キーパーから特に指示をすることなく、当たり前のように自分で判断できるハイレベルな選手が多いなと。フィールドの選手たちの鳥かごに混ぜてもらったら、みんな上手いし、ずっと鬼をやらされるイメージもあります。