大谷翔平は1時間の帰国会見で何を語ったか…「落ち込んだこともある」の告白から家庭を持つタイミング、新庄監督まで真摯に対応
エンゼルスの大谷翔平(27)が15日、東京・霞が関の日本記者クラブで会見に臨み、二刀流として打者では打率.257、46本塁打、100打点、26盗塁、投手では9勝2敗、防御率3.18の成績を残し、球宴の本塁打競争にまで抜擢された大活躍の今季について振り返った。メンタルの保ち方、古巣日ハムの新監督となった新庄剛志氏への期待感、家庭を持つタイミングから税金の話まで硬軟バラエティに富んだ質問に対し真摯に答えた。 以下主な一問一答。
「やっていることに対して凄いなという感覚はない」
――この4年間で故障もあった。どのような心境で今季の活躍につなげたのか。今だから話せる話は? 「怪我をして精神的にきついときも、必ず投げられる、必ず良くなると思ってやってきた。不安はあったが焦りはなかった。今だから話せる話はとくにない」 ――対戦した打者、投手で印象に残った選手は? 「ピッチャーはオールスターで対戦したシャーザー選手(ドジャース)。ずっと僕が若い頃から見ていたピッチャーでいつか立ってみたいピッチャーでもあった。印象に残るバッターは、どのバッターもそう。ゲレーロ選手(ブルージェイズ)、ぺレス選手(タイガース)もそう。この一人(を選ぶの)はなかなか難しい」 ――今季印象に残っているプレーは? 「DHを解除した試合は思い入れというか大きかったと個人的にも(思う)。今シーズンを最後まで戦い抜く中でも、スタートの1試合として、みんなが不安なくスタートするには重要な1試合だった」 ――印象に残っているホームランは? 「この1本はない。46本をまず打てたのが一番」 ――今季向上した点は? 「一番はフィジカルがしっかりとしていた。技術ではないが、技術に結びつくところ」 ――(打撃・投球)フォームは? 「毎年状態が良くても悪くても微調整は続けている。ピッチング、バッティングに関しても微調整を繰り返し、ちょっとずつ良くなるのが多かった」 ――米国では異次元だと評価されることが多かった。 「やっている方(自分)がやっていることに対して凄いなという感覚はない。違ったことをやっているから単純にそう見える。サンプル自体が少ない。今後(二刀流選手が)多くなってくると、この数字が凄いか、どうか、がよりハッキリしてくるのでは」 ――二刀流スターとしてベーブ・ルースと比較される機会が多かった。 「比較していただけるだけで光栄。残した数字だけではない方で、そこが一番凄い。いつまでも覚えてもらう選手はなかなかいない。選手として目指すべきところの一つ」 ――球宴のホームランダービーに出た選手は後半苦しむというジンクスもある。後半の成績は落ちてしまった。その理由は? 「これひとつというものはない。トータルで見たとき、攻め方が厳しくなったりとか、チーム全体をバランスで考えたとき、どこで(誰と)勝負するのか、など、同じ実力でも、どういうシチュエーションで打席に立つかで数字は変わる。後半のほうが厳しい場面は多かった」 ――来年もマークされる可能性もある。四球攻めへの対策は? 「主軸のバッター(トラウト)が怪我で離脱しているのが(四球攻めが)増えている要因。おそらく来年はそうはならない。自分以上にいいバッターがラインナップに並ぶので、今年みたいな攻めにはならない。なったとしても、今年の経験を踏まえて冷静にバッターボックスの中で自分の仕事ができれば、必ずいい成績が残る」