エリザベス女王杯の本命に弱点あり!? 本格化の兆し見せるホールネスに戴冠のチャンス到来
11.10 古馬牝馬の中距離女王決定戦
11月10日、3歳上牝馬の中距離女王決定戦となるエリザベス女王杯(GⅠ、京都・芝2200m)が行なわれる。 【動画】秋の古馬牝馬ナンバー1決定戦に臨む精鋭17頭の参考レース 昨年の三冠牝馬リバティアイランド(4歳/栗東・中内田充正厩舎)は12月8日の香港カップ(G1)へ、一昨年の牝馬クラシック二冠スターズオンアース(5歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)は今月24日のジャパンカップ(GⅠ)に出走する予定で本レースは不在。また、前回女王のブレイディヴェーグ(4歳/美浦・宮田敬介厩舎)も17日のマイルチャンピオンシップ(GⅠ、京都・芝1600m)に回ったため、残念ながら少し寂しい顔ぶれになってしまった。 そうした状況のなか、GⅠホースとして存在感を示すのが3歳のレガレイラ(美浦・木村哲也厩舎)だ。2歳時には牡牝混合のホープフルステークス(GⅠ)で、シンエンペラーを降して優勝。今春は牝馬クラシックではなく、皐月賞、日本ダービーに挑戦し、それぞれ6着、5着に健闘した。 秋はここに照準を絞って、プレップレースとしてローズステークスに出走。単勝オッズ1.7倍の圧倒的1番人気に推されたが、最後方からの追い込みが届かず5着に敗れ、やや暗雲が垂れ込めた。 今週の最終追い切りでは絶好の動きを見せ、前走からの上積みをアピール。1番人気の支持が濃厚だが、筆者は取りこぼしが有り得ると見ている。その理由はなんと言ってもスタートの悪さだ。 快勝した新馬戦と、2戦目で3着に敗れたアイビーステークス(L)は中団、先行で競馬をしたが、次走のホープフルステークスからはずっとゲートの出が悪く、後方からの追い込み一手のレースを続けている。ここまでの6戦すべてで最速の上がりを叩き出しているが、淀みのない流れになったホープフルステークスこそ勝利を収めたものの、ミドル~スローペースとなった以降の3戦はいずれも追い込み切れずに敗れている。クリストフ・ルメール騎手も彼女のポテンシャルの高さを認めつつも、「この馬のウイークポイントはスタート。いつも一歩目、二歩目が遅いので、いいポジションを取ることができない」と、ストレートにその点を認めている。 勝負に持ち込むには速めのペースという助けが必要なレガレイラだが、エリザベス女王杯がハイペースで流れることは考え辛く、今回も差し届かないケースは十分に有り得るだろう。よって本稿では押さえに評価を留めておく。 また、本来なら主役候補の1頭に数えられるであろう2022年の秋華賞馬スタニングローズ(5歳/栗東・高野友和厩舎)だが、こちらはその秋華賞から約2年1か月、6戦も勝ち鞍から遠ざかっている。その内容も、掲示板に載ったのは昨年の中山記念(GⅡ)5着のみ。なかなか手が出しづらい状況で、買うとしても押さえまでか。 有力馬の信頼性がいまひとつという状況であれば狙ってみたいのは、ここにきて本格化の兆しを見せている上昇馬である。主軸に評価したいのは、前走の新潟牝馬ステークス(L)を勝った外国産馬、ホールネス(4歳/栗東・藤原英昭厩舎)である。 昨年の阪神未勝利戦でデビューし、これをタイム差なしの2着とすると、続く新潟未勝利戦で初勝利を記録。そして約半年後の1勝クラスを中団からの差し切りで勝つと、年明け3月の熊野特別(2勝クラス)を先団からの抜け出しで快勝。そして3か月後、重賞への格上挑戦となるマーメイドステークス(GⅢ)では、52㎏の軽ハンデを生かして3着に健闘する。迎えた秋初戦、エリザベス女王杯への出走のためには取りこぼせない新潟牝馬ステークスに臨み、これを中団からの差し切りで快勝し、初のGⅠ挑戦に漕ぎつけた。
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