エリザベス女王杯の本命に弱点あり!? 本格化の兆し見せるホールネスに戴冠のチャンス到来
長い目で育ててきた藤原調教師が満を持して晴れ舞台へ投入
藤原調教師によると、もっと早くオープンへ行きたかったが体調面などを考慮して、長い目で育ててきた馬だとのこと。デビュー時から500キロに届こうとする大型馬で、前走では536キロにまで成長し、牝馬離れした迫力ある馬体を誇っている。新潟牝馬ステークスからエリザベス女王杯という中2週のレース間隔は当初から予定していた通りで、前走の体重がプラス14キロと余裕あるつくりで勝ち上がってきたのは好材料だろう。 管理する藤原調教師は「やはりトップは強いと思う。しかし、期待を寄せてもらえるような今までの成績とパフォーマンスをしているから、こちらも楽しみだし、勝つ気で計算してつくっているので、われわれ陣営も楽しみ」と腕を撫す。広い京都の外回りコースで、いよいよホールネスがポテンシャルを開放する迫力の走りで制圧することを願って、主軸に評価したい。 対抗格に推したいのも、勢いを感じる2頭だ。新潟記念(GⅢ)を制して臨むシンリョクカ(4歳/美浦・竹内正洋厩舎)と、府中牝馬ステークス(GⅡ)で2着となったシンティレーション(5歳/美浦・池上昌和厩舎)だ。 シンリョクカは2歳時に阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)で2着に食い込んだことがある素質馬。3歳となってからは低迷が続いたが、今春になって復調。中山牝馬ステークス(GⅢ)で0秒1差の3着に入った。次走の福島牝馬ステークス(GⅢ)では骨折して落馬・競走中止という不運に見舞われたが、休養明けの新潟記念(GⅢ)では2番手から抜け出し、猛追してきた後続をハナ差制して重賞初勝利を挙げた。前年(9着)に次いで2度目の挑戦となるが、竹内調教師は「去年は非力な部分、頼りない部分が残っていたが、この春あたりからは調教の負荷をしっかりかけられるようになった」と、1年を経ての成長を感じている。また「新潟記念に比べて、すごく状態が上がっている」とトレーナーが明かすように、自慢の勝負根性で一発を狙っている。 シンティレーションは3歳の春にフラワーカップ(GⅢ)で3着に入る能力の高さを見せていたが、その後は勝ち切れないレースが多かったために出世が遅れた。しかし、3勝クラスを3戦目の新潟日報賞(新潟・芝1800m)を快勝すると、続く府中牝馬ステークスは後方から鋭い末脚を繰り出して2着に食い込んだ。急激な上昇曲線を描く愛馬に対して池上調教師は、「前走の2着もそうだが、毎回驚かされるところばかりで、いつもこちらが思っている以上の結果を出してくれている。今週の競馬に関しても、僕をびっくりさせる走りを見せてくれたら、という期待はある」と、控えめながらも望みを寄せている。自在な脚質を生かして流れに乗れれば、好勝負に持ち込むことも可能だと見る。 その他では、今回初めてブリンカーを装着して集中力アップに期待するハーパー(4歳/栗東・友道康夫厩舎)。そして本レースで一昨年は2着、昨年は4着に入った実績を持ち、近走の不振を振り払うような好調教を披露したライラック(5歳/美浦・相沢郁厩舎)の2頭を穴候補としてピックアップ。連下への食い込みにマークしておきたい。 取材・文●三好達彦
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