京大院卒・研究者志望の若者が「おばあちゃん家のお菓子」の跡継ぎに。大胆改革のカギは“データ化”
甘納豆が世界に羽ばたく
百貨店の催事場にならぶSHUKAのブースには、さまざまな年代の客が列を作る。多くの客はジェラートを買い求めているが、ジェラートと共に、SHUKAを手に取る人の姿もあった。 「ショーケース越しにお客さんを見ると、ジェラートを見つめる目がキラキラしているのが分かるんですよ。今まで通り、甘納豆だけ売っていたら、出会えなかった人にたくさん出会えているのは本当にうれしいんです」 近藤は、ジェラートの聖地イタリアに出店することを今後の目標として掲げる。その一歩として、2025年のジェラートコンテストにエントリーする予定だ。 スローフードの大会で不評だった甘納豆が、ジェラートという形で甘い豆が評価されれば、甘納豆が認められたことになるのではと近藤は話す。 「大きい会社だから必ず生き残れるというわけではなくて、社会に求められる進化ができる企業だけが残り、それができない企業は、自然と淘汰されていく。 微生物を研究していたからそう思うのかもしれないですけれど、企業にも進化論って当てはまるんじゃないかなって思うんです」
市川みさき
