更年期からアフター更年期にかけての悩みのひとつ、デリケートゾーンのケア。乾燥対策には、何を使ったら良いのだろうか？ オーガニックビューティの第一人者として知られ、更年期の健康、美容について多角的に発信している吉川千明さんが、「日本全国どこにいても、誰にでもできる外陰部の保湿」について教えてくれた。

老けないための「更年期から始めるシニアケア」

「老化とは、痛めること。傷つけないことが、老化予防につながります。 今日は、日本全国どこにいても、誰にでもできる外陰部の保湿について書きました。前回＜デリケートゾーンが痒い、ひりつく、軟膏を塗る前にすることは　老けないための「更年期から始めるシニアケア」＞ご紹介した『基本の洗い方』と共に、これからの日常習慣にぜひ、取り入れてみてください」（吉川さん） ◆外陰部の状況は、今までの自分じゃない！ 「女性ホルモンのエストロゲンは、女性の皮膚、粘膜の潤いを保っています。40代に入り、更年期に突入。閉経を経て、やがて老年期へと続きます。外陰部の皮膚、粘膜はますます薄くなり、弾力も潤いもなくなります。守る力がなくなり、摩擦や異物に弱く、乾燥から硬くなった外陰部が下着に絡んだり、モソモソイガイガ感が続いたり、大変不快に感じます」 ◆関係ない人はいないはず。60代以降はどうなるか？ 「エストロゲンの枯渇は、昔には戻りません。 50、60、70代へと乾燥と菲薄化（ひはくか）が進む外陰部は、歩くだけでも股ずれが起こって痛くなります。血まみれになることもあります。高齢者が小股で歩くのは、関節の問題だけではありません」 ◆外陰部の保湿に必要なのはシンプルな処方 「通常、化粧品を作るには、水もの、いわゆる水溶性成分と、油もの、いわゆる油溶性成分を乳化剤で混ぜ、腐敗しないように防腐剤を使います。さらに、原材料の数が増えてくると処方の見た目は豪華になりますが、デリケートゾーンは顔やボディ以上に繊細な場所です。皮膚と粘膜が混在している外陰部に、たくさんのものが本当に必要でしょうか。疑問に思うことがよくあります」