幼児の歯磨き、大変なのは…子育て〝理想と現実〟に驚き 口腔ケア「食器の共有NG」より重要なむし歯予防
親から子どもへのむし歯の原因菌の感染を予防しようと、スプーンやコップなどの共有を避けている家庭もあります。しかし、実は科学的根拠の強くない情報で、学会などがそれよりも大事な虫歯予防の対策を呼びかけています。口腔ケア一つをとっても大変な子育ての“理想と現実”の中で、本当にするべきことを見失わないためにはどうすればいいのでしょうか。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎) 【イラスト解説】歯科医が教える子どもの歯磨きテクニック「数える」「あ!」
「うがい」「生えそろう」いつ?
うちの子は同じ1歳ちょっとの標準的な体型よりもでっかいです。先日、歯医者で口の中を診てもらったときは、歯科医師からごく自然に「じゃあ、うがいしてね~」と言われました。 私が代わりに「まだできません」と伝えると、「えっ」という顔に。カルテを見直して「ああ、まだXXカ月(1歳ちょっと)なんですね」と驚かれてしまいました。大柄なのとおしゃべりが多いので、勘違いされたようです。 うがいができるようになるのは一般には2歳ごろから、というのは、私も勉強になりました。 そんな幼児の口の中の事情ですが、我が子は歯磨きをイヤがります。公益財団法人母子衛生研究会によると、乳歯はむし歯になりやすく、注意が必要です。 むし歯になると「食べ物が上手く噛めない」「飲み込めない」ことのほか、時に「発音にも影響を与える」とのこと。永久歯の歯並びが悪くなったり、全身の病気の原因になることもあるといいます。 個人差はあるものの、一般に乳歯は6~7カ月ごろから下の前歯2本が出てきて、1歳ごろ上下の前歯が生え8本になります。1歳半になると第1乳臼歯(にゅうきゅうし)が出てくるので、うちの子はそろそろ。2歳半~3歳で第2乳臼歯が生えて20本が生えそろうということです。 大人と子どもでは歯の数から違うというのも、あらためて直面すると「そりゃそうか」という気持ちに。医療従事者の妻も、専門分野でないこともあり、ここまで細かくは把握していなかったとのことで「具体的な知識は子育てを経験した人の方が詳しいこともあるかもね」としみじみ話していました。