ウォルト・ディズニー・コンサートホールやフォンダシオン ルイ・ヴィトンなど、巨匠建築家フランク・ゲーリーの代表作を知っていますか?
6 バルセロナ・フィッシュ/スペイン・バルセロナ
1992年の夏季オリンピック大会に建設された、ヴィラ・オリンピカという複合施設の上にそびえ立つ魚のオブジェ。 ゲーリー事務所の変革にあたって、協力者となったジム・グリンフが全工程を管理し始めたプロジェクトで、航空機産業のために開発された「CATIA」というソフトウェアを初めて設計に導入したことで知られます。 このシステムの実装は、オリンピック開催までのわずか1年という期間でこのプロジェクトを完遂させると共に、これ以後のゲーリー事務所の設計プロセスに大きな影響を及ぼしました。 ちなみに “魚” は、ゲーリーがよく用いるモチーフの1つ。
7 フレデリック・R. ワイズマン美術館/ミネソタ州・ミネアポリス
1993年に開館した、ミネソタ大学の美術館。曲面を描くステンレスの壁が、周辺の緑を写し込みながら光を反射する様は一見の価値あり。 壁表面が波打つ厚さまでステンレス板を薄くすることで、キラキラと光る川面のような効果を演出しています。 館長のリンデル・キングは、灯台のように輝く美術館を見て “ミシシッピの光” と評したのだそうです。
8 ビルバオ・グッゲンハイム美術館/スペイン・ビルバオ
ゲーリーの代表作といえば、バスク地方に流れるネルビオン川沿いの大規模再開発計画の一部として建設された、このビルバオ・グッゲンハイム美術館でしょう。 開館直後から大きな注目を集めた作品で、その来館者数は10年間でおよそ1,000万人。ビルバオの街を一躍世界的な観光地へとのしあげました。 この特徴的な外壁を構成するのは、わずか厚さ0.38mmのチタン。紙を数枚重ねた程度の厚さのため、風の強い日はチタンシートがはためきひときわ美しい表情をつくります。 展示室を含む内部空間は、一般的なホワイトキューブではなく、ゲーリーらしい不定形な曲面からなる構成。「美術館のデザインは奇抜でもいい」という彼の信条が表れた仕上がりです。
9 ナショナル・ネーデルランデン・ビル/チェコ・プラハ
映画『艦隊を追って』のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのダンスシーンを思わせることから、“フレッド・アンド・ジンジャー(ダンシング・ハウス・ビルディング)” の名で知られる作品。 19世紀に建てられた周囲の建物や、そこにいる人たちと川との関係を考慮することを意識した設計で、既存の建物からの眺望を奪わないために、ビルのウエストをくびれさせたのだそう。 タワー頂上のドームは細長い鉄のメッシュでつくられたもの。