ウォルト・ディズニー・コンサートホールやフォンダシオン ルイ・ヴィトンなど、巨匠建築家フランク・ゲーリーの代表作を知っていますか?
3 ヴィトラ デザイン ミュージアム/ドイツ・ヴァイル・アム・ライン
スイス バーゼルにほど近いドイツのヴァイル・アム・ラインの田園地帯に立つ、家具メーカー、ヴィトラが所有するヴィトラ キャンパス内のデザイン美術館。 ゲーリーにとってはじめて実現したヨーロッパのプロジェクトで、彼の作風である湾曲した彫刻的なデザインが表れた初期の作品でもあります。 この依頼がきっかけで、ヴィトラ社のオーナーであったロルフ・フェルバウムと親交が深まり、後のヴィトラ本社の設計に繋がります。
4 ヴィトラ本社ビル/スイス・ビルスフェルデン
バーゼル近郊のスイス、ビルスフェルデンに立つヴィトラ本社。既存の2棟を含む全体計画に対して、ゲーリーが増築を行いました。 周辺の住宅街になじむスケールでつくられた、彫刻的な意匠の会議センターが目を引く作品です。 会議センターとは対照的に、その周りを囲む事務所棟は単純な箱型。これはヴィトラの家具が、奇抜な空間でもシンプルな空間でも見栄えがすることをクライアントに示すためなのだそう。 家具の展示がある他、カフェが併設されており、一般の方も訪問できる施設です。
5 ウォルト・ディズニー・コンサートホール/カルフォルニア州・ロサンゼルス
ロサンゼルス・フィルハーモニック楽団とロサンゼルス・マスター・コラールの拠点となるコンサートホール。 ゲーリーの三次元的な曲面を用いた建築デザインと日本人音響設計家の豊田泰久による音響デザインが世界的に高い評価を得ている施設です。メインホールのパイプオルガンも有名。 実はこちらのホールは、設計着手から完成まで15年もの年月を要し、ゲーリーの転換点になった作品でもあります。 当時、ゲーリー事務所は主要プロジェクトの施工図を外部委託していましたが、そうした方式は情報伝達や工事上のミスでのコストアップがつきもの。 このプロジェクトでは、その設計の複雑さゆえ外注図面の見積もり金額が膨大に膨れ上がり、地下駐車場だけが建設され急遽中断してしまいます。 その後、追加資金を募っている期間に、ゲーリーは事務所を施工図まで内製できる体制へ変革。設計開始から10年あまり、1998年にコンサートホール実現の目処が立ち、2003年に満を持して完成を迎えました。