自民党総裁選 所見演説会(全文3完)岸田氏「1人1人を輝かせるリーダーに」
マルチ外交が大事になってくる
そして外交の部分についても、日米関係、日中関係、これは共に大事でありますが、やはり世界の分断、保護主義、自国第一主義、あるいはブロック経済、こういったものが進む中にあって、日本のように資源のない国、島国、人口が減少する国が生きていくとしたならば、この2国間関係、もちろん大事でありますが、やはりマルチ外交、これが大事になってくるのではないか。 自由や民主主義、こうした基本的な価値を共有する国々と共に地球規模の課題、環境やエネルギーや平和、こういった問題にしっかり取り組んでいく。こういった外交、その中で、日本というような国は存在感を示し、そして日本みたいな国は大事な国だなと言ってもらえるような国を目指す。これが分断が進む国際社会における日本の生きる道ではないかと思います。 このように国の内外に格差や分断が進む。この現代的な課題にしっかりと、分断から協調へと臨んでいく。これが今から望まれるのではないか。そしてこうした課題を解決するためには、あらゆる課題が国民の協力なくして結果を得ることができません。国民の協力を引き出す政治が今、求められている。国民の協力を引き出すためには、政治の信頼と、そして、冒頭申し上げました、政治の聴く力、これをしっかり取り戻さなければなりません。
徹底的な現実主義に基づいて変えるものを変える
今、日本は国難にあります。こういったときだから、保守の政治が重要になってきます。歴史や文化を大事にしながら、歴史の教訓に思いを巡らし、徹底的な現実主義に基づいて変えるものを変えていく。こうした保守の在り方があるからこそ、保守は激動の時代において成果を上げ、国民をまとめることができます。これが今できるのは自由民主党だけであるということを、われわれはしっかりと胸に、国民の皆さんに政治を訴えていかなければなりません。 そして最後に個人的なことを申し上げて恐縮ですが、私はこれまでの人生、本当に多くの失敗を繰り返してきました。例えば学生時代、私は大学、同じ大学の入試に3回失敗しました。また、野球をやりましたが、さまざまな失敗に出会いました。国会議員になってからもさまざまな失敗を繰り返しました。その中で得たもの。これはチームに参加する、協力してくれる人の心が分かるようになった、こういったことです。 ぜひ激動の時代、自民党はオールスターで、そしてこのオール自民党でチームを組んで、そして激動の時代、最高のパフォーマンスを繰り広げなければなりません。そのために自分が輝くのではなくして、チームの1人1人を輝かせる、こういったリーダーを目指したいと思います。ぜひ激動の時代、共に、皆さんと共に、政治を前進させるためにご理解、ご協力、心からお願い申し上げて、話を終わらせていただきます。ありがとうございました。 司会:岸田候補、大変ありがとうございました。総裁選挙管理委員会といたしましては、今日からスタートいたしました自由民主党総裁選挙、もちろんのことでありますが、公平・公正な選挙となりますよう努めてまいります。党所属国会議員の皆さん、また、全国の党員、党友の皆さまのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いをいたします。 以上をもちまして総裁選挙候補者所見発表演説会を閉会とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。 (完)【書き起こし】自民党総裁選 所見演説会