登山靴にありがちな「重い」「歩きにくい」を解消! スポルティバの「エクイリビウム」が持つ革新性
山々や自然へ負荷をかけないもの作り
LA SPORTIVAが登山家たちに選ばれる理由は、もの作りの姿勢にもある。 「ポリシーはfor your mountain。イタリアの本社に併設された自社工場で靴作りを行っていますが、この工場は周囲の山々や豊かな自然に対して、いかなる負荷もかけないように力を注いでいます」
ISO認証の取得はその努力の表れだ。 ISO(国際標準化機構)とは、製品やサービス、プロセス、材料、システムに関する国際規格を制定する国際組織。非常に厳格な基準で知られる規格だが、LA SPORTIVAは、ISO9001、ISO14001の2つの認証を取得している。 また、製造工程において、廃棄物のリサイクル、ソーラー発電、CO2の廃棄濾過、100%再生可能エネルギーの使用にも力を注ぐ。 「登山は自然の恩恵なしには楽しむことができないアクティビティです。山を愛し、守っていくブランドでなければ、登山愛好家たちからの支持は得られません」
ブランドの叡智を結集させたマウンテンブーツ
そんなLA SPORTIVAのアーカイブの中で、最高傑作と名高いモデルが、2021年に発売された「エクイリビウム ST GTX」だ。 「厳冬期以外の3シーズン使用できるマウンテンブーツです。従来の登山靴の重さや硬さ、歩きにくさなどのストレスを解消した画期的なモデルで、名の由来は、平衡、均衡、バランスといった意味を持つエクイリビウム(Equilibrium)という英語からきています」
足を入れると驚かされるのは、見た目からは想像もつかない「軽さ」だ。片足は約630gと従来のマウンテンブーツに比べて格段に軽い。 「軽量化を実現するために、あらゆるパーツを見直しましたが、それでも限界がありました。そこでこのモデルでは、思い切ってミッドソールを省略することにしたんです」
通常の登山靴は、アウトソールの上にミッドソールがあって、その上にアッパー、という構造でできている。ミッドソールは衝撃を吸収して足の負担を軽減したり、歩行時の足首のブレを防いだりする役割を果たす。登山靴にとって特に重要なパーツのはずだが……。