登山靴にありがちな「重い」「歩きにくい」を解消! スポルティバの「エクイリビウム」が持つ革新性
「このモデルのアウトソールは、ちょうど容器のようにくぼんでいて、ラグもゴムの塊ではなく、中空状態になっているんです。この部分にミッドソールの素材を充填することで、アウトソールがミッドソールの役割も果たせるというわけです。アウトソールのゴムの使用量を減らしつつ、同時にミッドソールを省略できるため、大幅な軽量化につながります」
上りではアクセル、下りではブレーキに
ロングハイクでは、このモデルの最大の特徴であるダブルヒール構造が真価を発揮する。ヒール部分は斜めに削ぎ落とされ、さらにオフロードタイヤを思わせるラグが後方に飛び出ている。
「まず、斜めにカットしたヒール部分が、足のローリングを促すことで推進力を高めます。さらに踵の角をカットすることで、地面との接地部分が点から面に変わり、結果、着地時に生じる足首の横ぶれが抑えられ、疲労軽減にもつながるんです。また、カット面にある大きなラグは、下り坂で食い込むように地面を捉えることでグリップ力を向上させます」 つまり、ダブルヒール構造は、上りや平坦な道を歩くときには、アクセルのような役割を果たし、下りのときにはブレーキのような役割を果たす。ちなみにこの構造は、高地に生息し、岸壁をすばやく上り下りする山岳動物の足の形からインスパイアされたものだという。
見えない部分にも歩行性能を高める工夫が施されている。
「エルゴノミック構造です。これはアッパーの内側のつま先部分と踵の部分を足の形状に合わせてラウンドさせて、無駄な空間を極限までカットした構造です。足との密着感が高まることで、地面の状態をより敏感に感じ取りやすくなるため、ぬれた岩場などでの足の操作性を向上させることができます」
足首の動かしやすさもこのモデルの特徴だ。
「トラバース(岸壁や山の斜面を横切って進むこと)の際に真価を発揮します。このモデルには、足首を包み込みながら支える特殊な形状によって、今まで以上のフィット感を生み出しつつ、繊細な足運びをサポートする3DフレックスシステムEVOが搭載されています。