「ヒグマとツキノワグマの悪魔合体が起きている」…!いま秋田の猟師たちが恐れる「最凶のハイブリッド熊」の正体
「K」の遺伝子は残った
県が佐藤さんを襲ったのが「稀グマ」であるかのように考えたのはなぜか。それは、本州史上最悪の獣害として知られる「十和利山クマ襲撃事件」を起こした、「スーパーK」を思い出さざるを得なかったからだろう。 十和利山クマ襲撃事件とは、'16年の5月中旬から6月にかけて、同じ十和田大湯エリアの山中に入った4人が死亡、4人が重軽傷を負った事件だ。すべての遺体が食い荒らされ、枯れ葉や土が覆うようにかけられていた。 当時、主犯と目されていた雄グマにつけられた名前が「スーパーK(鹿角市の頭文字)」だ。この事件について、鹿角市の地元住民はこう語る。 「人間を襲撃し、食害したクマは主に2頭いました。1頭は、3人を食い殺したスーパーK。そして、もう1人を食い殺したのがスーパーKの母親。120キロ級と大型で、赤毛の雌グマです」 同年9月にスーパーKは箱ワナで捕獲され駆除される。ところが母グマは、様々なワナをかいくぐって生き残った。 それから8年後、同じ十和田大湯エリアで人を殺し、枯れ葉で遺体を隠すツキノワグマが現れた。こうした経緯が、関係者の間で「佐藤さんを殺したクマと、スーパーKは関係があるのでは」と言われている所以だ。 つまり、「逃亡したスーパーKの母グマが、次々とスーパーKのような『人食いグマ』を産んでいる」という説だ。 「この十和田大湯の地域には、人間の味を覚えたスーパーKの系統が幅広く生息していると考えられます」(高橋さん) また、本来は草食性のツキノワグマが、肉を食べるようになった原因を前出の田口氏が推測する。 「'70年代後半に環境庁は、減少傾向にあったニホンジカやカモシカの保護政策をとりました。すると両者は爆発的に増殖。個体数が増加したカモシカを、ツキノワグマが捕食するようになったのだと考えられます。人間の味を覚えたのは、山中に入った行方不明者などの死体を漁るようになったからかもしれません」
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