東京海上日動あんしん生命のオウンドメディアが約4年で月80万UUを達成できた理由とは?
オウンドメディアを閉鎖した過去。経営層の理解を得るため、必要性を数字で伝える
実は同社ではマネコミ!の前に別のメディアを運営していたが、SEOを重視しておらず、流入がほとんどなく閉鎖をした過去がある。そのため、「新たにオウンドメディアを立ち上げたいと経営に伝えた際、なぜ必要なのかを理解してもらう難しさがあった」と齋藤氏は話す。マネコミ!も、齋藤氏が担当になったとき、上司から「意味がないので閉鎖したいと思っている」と言われ、まさに逆風からのスタートだった。
そのハードルを乗り越えるには、経営層の理解が必要だった。以下の図は、顧客の購買ファネルごとにデジタル戦略部の施策を記載したものである。マネコミ!は「未認知顧客」「認知・未利用顧客」「潜在顧客」にアプローチする施策である。
┌────────── この図は、経営層にマネコミ!の価値を説明するために使用した資料をベースに作成しています。施策ごとのユーザー獲得単価などの数値と合わせて説明を行い、以前に運営していたオウンドメディアと何が違うのかを明示し、理解を得られました(齋藤氏) └────────── 現在、訪問者の年齢層は、20代~40代前半が3/4を占めており、アンケート調査より「独身」「子あり既婚」層が大半であることがわかっている。当初のねらい通り「デジタルネイティブ層との接点強化」は果たせていると齋藤氏は述べる。 ■ 「認知・未利用顧客」「潜在顧客」へのアプローチとして効率的な手段がオウンドメディアだった
オウンドメディアを作った背景には、これまで「認知・未利用顧客」「潜在顧客」へのアプローチ手段が弱く、マーケットを取りきれていないという課題認識があったという。この層へのアプローチ手段を検討した結果、たどり着いたのが、広告流入ではなく、ユーザー自らの検索行動で流入につなげるSEOに強いオウンドメディアだった。
SEOに強いオウンドメディアを活用することで、キーワードと流入数を分析してお客様のニーズの把握ができ、ニーズに合致した記事を出稿することで流入単価も安価に抑えられるのではという仮説があった。4年経った現在、仮説通り、記事のPV数を活用した顧客のニーズ把握や、市場調査としての活用ができている他、Web広告と比較すると安価にユーザーを獲得できているという。