携帯電話番号「060」追加へ、なぜケータイ番号は急速に足りなくなっている?
総務省は2024年10月2日、新たに「060」から始まる11桁の番号を携帯電話向けの番号として割り当てる方針を打ち出しました。現在割り当てられている電話番号の枯渇が懸念されていることがその理由とされていますが、なぜ携帯電話の番号が不足しつつあるのでしょうか? 【画像】総務省「電気通信番号計画の変更等について」より。「090」「080」「070」に続いて、新たに「060」番号を音声伝送携帯電話番号として開放する方針が明らかにされている
■10年近く検討がなされてきた「060」の割り当て 携帯電話の番号といえば「090」「080」「070」から始まる番号というのはご存じの通り。ですが、この携帯電話番号の数が不足しつつあることはご存じでしょうか? 現在、携帯電話向けに割り当てられている番号は、先の3桁から始まる11桁の番号のうち、4桁目が「0」の番号を除いたもの。つまり、9000万×3=2億7000万もの番号が携帯各社に割り当てられ、携帯電話などの電話番号として使われています。 ですが、携帯電話番号は以前より不足傾向にありました。2019年には総務省が、直近の需要から試算すると「携帯電話番号は7年で枯渇する」と試算しており、新たな番号の割り当てに関する議論は以前からなされていたのです。 そして2024年10月2日、総務省は新たに「060」から始まる電話番号を、音声伝送携帯電話番号、要は音声通話が可能な携帯電話向けの番号として開放してはどうかという案を提示。今後、パブリックコメントを募ったうえで、実際に割り当てが進められるものとみられています。
では、そもそも060から始まる番号とは一体何なのかといいますと、もともとはFMC(Fixed Mobile Convergence)、つまりは携帯電話と固定電話を融合したサービスに向けて割り当てられていたもの。ですが、実際にはFMCに類するサービスが少なく、あまり使われていない番号となっていたのです。 そこで総務省では、需要が大きい携帯電話向けとして060の番号を割り当ててはどうかという検討を2015年頃から進めていました。それゆえ、060番号の割り当ては、およそ10年越しで実現したものともいえます。 「番号がなくなりそうなら、どうしてすぐ割り当てなかったのか?」と思われる人も多いでしょうが、実は2021年にも携帯電話向けに新たな番号が割り当てられていました。それは「020」から始まる14桁の番号です。この番号は、かつてポケットベル向けに割り当てられていたもので、こちらを音声通話をしないデータ通信専用機器の番号として割り当てることで、枯渇を回避しようとしていたのです。