ひとクラス上のサイズを持つワゴン専用車になった新型フォルクスワーゲン・パサートが販売開始
Eクラスや5シリーズと肩を並べるサイズ
フォルクスワーゲンは、2024年7月に開催されたプレス向け発表会において、新型パサートを同年内に発売するとアナウンスし、9月には予約注文の受付を開始。そして、2024年11月25日に予告どおり販売がスタートした。 【写真49枚】ひとセグメント上に匹敵する大柄のボディを持つワゴン専用車となった新型「フォルクスワーゲン・パサート」の詳細画像をチェック ◆ほぼEセグメント級 ステーションワゴンのみとなった新型パサート。ボディ・サイズは、全長×全幅×全高=4915×1850×1500mm、ホイールベースは2840mm。先代の4785×1830×1510mmよりもひと回り大きくなり、ホイールベースも50mm延長された。全長とホイールベースが延長されたことで後席の居住性が向上。長身の人が前後席に座ってもゆとりが増している。また、最大1920リッターに達する荷室容量は、日本で販売されているステーションワゴンの中で最大級の容量を誇っている。 ◆MQB evoプラットフォームを採用 プラットフォームに従来の「MQB」の進化版である「MQB evo」アーキテクチャーを使うことで、多くの先進安全装備の採用を可能にした。従来のアダプティブ・シャシー・コントロールの「DCC」が「DCC Pro」へと進化を遂げたことで、新次元の快適性を実現する。 DCC Proは、ダンパーの伸び側と縮み側で独立したオイル回路を持ち、それぞれの減衰力を独立してコントロールすることができる。これにより、相反するダイナミックな走りと快適な乗り心地を高いレベルで両立。走行モード切り替え装置で「スポーツ」を選べばフォルクスワーゲンらしい軽快なハンドリングが、また「コンフォート」モードでは快適なフラットライドが得られるとしている。 DCC Proは、電子制御ディファレンシャル・ロックの「XDS」を高度に協調制御する「Vehicle Dynamics Manager」(ヴィークル・ダイナミック・マネージャー)と組み合わされ、走りに応じて4輪のブレーキを独立制御してクルマの動きをコントロール。持ち前の正確なステアリング・レスポンスがさらに向上する。 ◆パワートレインは3種類 搭載されるパワートレインは、「eTSI」と呼ばれる1.5リッター直4ターボ+マイルド・ハイブリッド、「TDI」の2.0リッター直4ディーゼル・ターボ、さらに、「eHybrid 」と名付けられた1.5リッター直4ターボ+PHEVの3機種。ディーゼルのみが「4モーション」の4WDでガソリン系はどちらも前輪駆動(FF)となる。 1.5リッター・ターボは、燃焼プロセスに高効率なミラーサイクルを採用するとともに、高度な技術であるガソリン用可変ジオメトリ・ターボを組み合わせるなど、省燃費とトルクレスポンスを両立。制御が最適化され、気筒休止とコースティング時のアイドルストップ時間が伸張された「アクティブシリンダーマネジメント(ACT)」も備わる。マイルド・ハイブリッドは48V電源を用いたもので、モーターはエンジンと変速機の間に装着されている。 ◆PHEVのEV航続距離は142km PHEVの1.5リッターはPHEV向けに細かなチューニングが実施。システムは204ps(150kW)/350Nmで、25.7kWhの大容量のリチウムイオンバッテリーにより、142kmのEV航続距離を実現。日常使いをEVとしてまかない、ロングドライブ時にはエンジンを用いることで電欠の心配をすることなく楽しめるのが魅力だ。 2200barのコモンレールを採用する2.0リッター・ディーゼルは、2連式SCR噴射を使うツインドージング型になり、優れたNOx除去能力とハイレスポンスを実現している。 ◆6段と7段のDSGを設定 組み合わされるトランスミッションは、PHEVがデュアルクラッチ式6段自動MTで、マイルド・ハイブリッドとディーゼルがデュアルクラッチ式7段自動MTを組み合わせる。 先進安全装備では、進化した駐車支援システム「Park Assist Plus」(パーク・アシスト・プラス)の搭載がトピックス。駐車スペースへの支援をステアリング操作だけでなく、アクセレレーターとブレーキにかんしても自動で操作してくれるようになった。 ◆3つのグレードを用意 グレードは、アクティブ・クルーズコントロールやレーンキープ・アシストやレーンチェンジ・アシストなどの最新の運転支援システムをすべて標準化する「Elegance Basic」(エレガンス・ベーシック)、15インチの大型タッチ式ディスプレイを備えた純正インフォテイメント・システムの「Discover Pro Max」(ディスカバー・プロ・マックス)やヘッドアップ・ディスプレイを標準装備する「Elegance」(エレガンス)、スポーティな専用エクステリアをはじめ、専用シートや19インチ・アルミホイールを装着する「R-Line」(ライン)の3つを設定。エレガンス・ベーシックは1.5リッターのマイルド・ハイブリッドのみの設定。エレガンスとR-ラインはすべてのパワートレインから選べる。 価格は、1.5リッター・マイルドのeTSIエレガンス・ベーシックが524万8000円、eTSIエレガンスが553万円、eTSI R-ラインが576万4000円。TDI 4モーション・エレガンスが622万4000円、TDI 4モーションR-ラインが645万8000円。eHybridエレガンスが655万9000円、「eHybrid R-ラインが679万4000円となっている。 文=塚田勝弘 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部