東京五輪、首都圏は「無観客」決定 橋本会長「やむを得ない措置」
7月23日に開幕を控えた東京五輪の観客数をめぐり、大会組織委員会の橋本聖子会長は8日深夜、東京都を含む1都3県の会場は無観客とすることが決まったと発表した。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた「緊急事態宣言」下での開催となることを踏まえ、感染拡大の防止を図るために「やむを得ない措置」だとの認識を示した。 【動画】東京五輪、首都圏1都3県は「無観客」 組織委・橋本会長が会見
●国民にご理解いただくには…
組織委と東京都、政府、そして国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)による8日夜の5者協議で合意した。 無観客となるのは、7月12日から緊急事態宣言が発出されることが決まった東京都と、まん延防止等重点措置の延長が決まった埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県の会場。 会合後に会見した橋本会長は「なんとか有観客で開催できないかと努力してきたが、東京都で緊急事態宣言が再び発出されることになった。東京大会を開催するにあたり、多くの都民、国民の皆さんに開催に向けたご理解をいただくには、残念ではあるが無観客を決定した方が理解いただけるのではないかという判断のもとに決定した」と語った。 これまでの政府方針では、宣言や重点措置が発出される中でのイベント開催は、収容率50%以内で上限5000人とされていたが、「感染拡大の防止に向けたより厳しい措置として無観客となった」と説明した。 その上で「会場での観戦を楽しみにしていたチケット購入者の方々には、大変残念なお知らせとなり、誠に申し訳ない気持ちでいっぱい」と陳謝し、「感染拡大の防止を図るにはやむを得ない措置であったとご理解いただけると幸い」と述べた。
●大会関係者は入場できる?
会見では、無観客会場における大会関係者の入場についての質問が出た。武藤敏郎事務総長は「いわゆるキー・クライアントは大会関係者とは別」で入場はできなくなるとしたが、IOC幹部や国際競技連盟(IF)幹部、各国のオリンピック委員会幹部、そして放映権者らといった大会関係者については「観客ではない」と説明。「それぞれ役割を持った方々で、この方々は入ることができる」と回答した。 無観客でも五輪を開く意義について問われた橋本会長は「まずは開催させていただくことに感謝をしている。平和の象徴である東京大会でもあるし、(コロナ禍という)大きな課題に直面する中でも開催することができるということも一つ大きなレガシーになっていくと理解している」との見解を示した。