小康状態でも、再び大雨特別警報の可能性も 土砂災害などに厳重警戒を
先週から日本付近に停滞し、各地に記録的な大雨をもたらした前線。いったんは南下し、雨が弱まっているところが多くなっているが、気象庁によると、九州付近で再び北上しつつあり、16~17日にかけて、再び各地に災害をもたらすような大雨となる可能性がある。 気象庁は16日午前11時から報道陣の共同取材に応じ、「今は小康状態となっているが、九州を中心に大雨の可能性は高くなっている。すでに特別警報が発表された九州北部や広島県などを中心に、再び特別警報が発表される可能性はある」と警戒を呼びかけた。 また、気象庁によると、今後、前線はゆっくり北上し、すくなくとも20日ごろにかけて日本付近に停滞する見込みで、前線の南側は暖かく湿った空気が入りやすい状況となるという。このため、これまでに特別警報が発表された九州北部、広島県だけでなく、九州南部、四国、近畿、東海などでも災害を引き起こすような大雨となる可能性がある。 そうした中、非常に激しい雨を同じ場所で降らせ続ける「線状降水帯」が発生して急激に状況が悪化するケースなどが考えられるほか、これまでも多くの雨が降っているため、わずかな雨でも土砂災害発生の危険性が高まることも考えられる。 大雨特別警報はすでに災害が発生している可能性が極めて高い時に発表される情報のため、それより前の段階である「土砂災害警戒情報」や「氾濫危険情報」の段階で、災害の危険がある地域の人は何らかの避難行動を取っておくことが大切となる。また、暗くなると状況を把握することが難しいため、明るいうちに判断することも重要だ。