「避難継続も検討を」 4県の大雨特別警報を警報に切り替え
気象庁は15日午前6時過ぎ、昨日から佐賀県、長崎県、福岡県、広島県に発表していた大雨特別警報を警報に切り替えた。しかし、これまでの記録的な大雨で土壌にかなりの量の雨が染み込んでおり、少しの雨でも土砂災害が発生する可能性があるほか、広島・島根県を流れる江の川などで高い水位が継続している。 気象庁と国土交通省は警報への切り替えのタイミングで緊急記者会見を行った。気象庁の黒良龍太予報課長は「警報に切り替わった後も油断しないで。避難している人については、雨がやんだからすぐに自宅に帰る、というようなことはしないで」と話した。また国土交通省の内藤正彦河川環境課長は「まだ、浸水は直ちに解消されない。引き続き、身の安全を守る行動継続を」と呼びかけた。 また、特別警報が出ていなかった地域でも、大雨に厳重な警戒が必要な状況となっている。 15日午前7時過ぎの時点で、福島、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、富山、岐阜、愛知、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、鳥取、岡山、広島、徳島、大分、福岡、熊本、佐賀、長崎の都府県に、自治体が避難指示を発令する目安となる大雨の警戒レベル4に相当する土砂災害警戒情報が発表されている。
今後も「まだまだ全然油断できない状況」
気象庁によると、各地に記録的な大雨をもたらした前線は15日夜、九州南部、四国や紀伊半島の南海上、関東南岸にまで南下する見込み。このため、現在、西日本や東日本で降り続いている雨は次第にやんだり、弱まってくるところが多くなる。 しかし、16日になると、九州付近では前線が再び北上し、夜にかけてさらに北上する見込み。さらに、状況によっては九州の西海上で低気圧が発生し九州北部に近づく恐れも出ているという。このため、九州では再び雨が降り始める可能性が高くなっており、状況によっては非常に激しい雨になる可能性もある。 黒良予報課長は「九州北部でも明日明るくなる前から雨が振り始める可能性がある。明るくなる前に危険度上がって避難が必要になる可能性もあることから、今晩、避難所から自宅に戻ることを考え直し、避難続けることも検討してほしい。もし自宅に戻ったとしても、自宅の安全な場所で休むなどしてほしい。まだまだ全然油断できない状況」と呼びかけている。 なお、前線は20日頃まで停滞する予想で、20日頃から太平洋高気圧に少しずつ覆われ始め、前線が弱まる見込み。