2軍落ちの阪神“怪物ルーキー”佐藤輝明は這い上がってこれるのか…復調に必要な条件とは
35打席ノーヒットの不振に苦しんでいた阪神のドラフト1位ルーキー佐藤輝明(22)が10日、プロ入り初めて出場選手登録を抹消され鳴尾浜の2軍施設で練習をスタートさせた。2軍落ちの措置は正しかったのか。佐藤は這い上がってくることができるのか。そして“大本命”だった新人王争いからも脱落してしまうことになるのか。人気評論家である里崎智也氏の意見を聞いた。
桧山氏が持つ球団ワースト三振記録も更新
矢野監督が悩める怪物ルーキーに“2軍落ち”の決断を下した。9日のヤクルト戦では守備から途中出場して2打席立ったが、いずれも空振りの三振。これでシーズン151個目の三振となり、桧山進次郎氏が持つ不名誉な球団の日本人選手ワースト記録を更新することになった。 連続打席ノーヒットは、8月21日の中日戦の8回に又吉からセンター前ヒットを放って以来、13試合、35打席と重なったが、ここ11打席では10三振とあまりにも打撃内容が悪く、まったく復調の気配が見られないためプロ入り初の登録抹消となった。 打率は.254まで落ちたが、23本塁打、60打点の成績で、虎の前半戦の快進撃を支えた佐藤の2軍落ちには賛否の声がある。 元千葉ロッテの評論家の里崎智也氏は「2軍に落とした方がいい」と賛成の意見だ。 「そもそも佐藤は代打で結果を出せるタイプではない。前半戦はチーム状態がよくて首位を独走して佐藤が打てなくとも我慢して使う余裕があった。しかもロハスもいなかった。今回は、巨人、ヤクルトとの優勝争いが激しくなりチームがバタつく中、チームに余裕がなくなり、ロハス、糸井といった代役もいる。そういうチーム事情を考えても、矢野監督の決断は当然だと思う」 佐藤は8月29日の広島戦でスタメン落ちし、その試合を含めて4試合は、大事な場面で代打起用されたが、すべて三振に終わった。期待感ゆえか矢野監督の起用法も迷走した。 里崎氏が指摘するように「4打席で結果を残すタイプ」の声があり、矢野監督は4日、5日の巨人戦2試合に7番でスタメン復帰させたが、いずれも2三振に終わり、7日のヤクルト戦からは、再びベンチで待機させ、7、8日の2試合は代打などの途中出場機会もなく、ベンチで“塩漬け”された。 「出さないのであれば2軍に落とせばいいのではないか」との声も聞かれたが、日程上、この2日間、ウエスタンリーグの試合はなかった。矢野監督は、そのあたりも考慮して9日に1軍に生き残るための最後のチャンスを与えたが、復調の兆しは見られなかった。 では、佐藤は2軍で復調できるのか?