「ほんまにいけるで!」燕とGとは対照的に阪神に揃い始めた優勝へのプラス材料
阪神が大敗から一転、8日、甲子園球場で行われた3位のヤクルト戦に逆転勝利をおさめ、横浜DeNAに敗れて、引き分けを挟んで4連敗となった巨人とのゲーム差を2.5差に広げた。ヤクルトに見え隠れしたのは、虎への苦手意識と選手層の薄さ。一方の阪神は大山悠輔が完全復活、“ブルペンの新星”小川一平がプロ初勝利をあげるなど3強に絞られた優勝争いを抜け出すプラス材料が揃ってきた。
6番の大山が決勝2ラン
G戦の「燃え尽き症候群」などなかった。阪神は前日のヤクルト戦で奥川に手も足も出ずに0-12と大敗。前のカードの巨人との首位攻防戦で、2勝1分と首位奪回を果たした激戦後の影響が不安視されていたが、この日は、逆転勝利で、そんな声を封じ込めた。 ヒーローは2人。3-3で迎えた6回に決勝の16号2ランを放った大山と、その6回を3人でピシャリと抑えて逆転劇を呼び込み2年目にしてプロ初勝利を手にした小川だ。 お立ち台で大山が、「打つだけと思った。思い切っていきました。結果的に勝ちにつながる1本だったのでよかった。その後をチーム全員で守ることができてよかった」と、言葉を選ぶようにして語れば、小川は初々しく、「1年目で勝利ができなかったのでほっとしています。とにかくゼロで抑えて攻撃に流れをもっていきたいと思って投げています。(今日は)それがつながって良かったと思う」とコメント。「これからは一平ちゃんと呼んで下さい」とファンに呼びかけ、人数制限された甲子園のファンを沸かせた。 序盤はヤクルトペースだった。 “ノムラID野球”の遺伝子を継承する高津監督が仕掛けた。 2回に先制し、なお一死一、二塁で、伊藤がまったく走者に注意を払っていないとみるや、オスナ、サンタナの“走れない”外国人走者2人にダブルスチールのサインを出し成功した。動揺した伊藤にたたみかけ二死から投手の小川がライト前にポトリと落とすタイムリー。1点を返された直後の3回には山田にも一発が飛び出てゲームの主導権を握っていた。 ヤクルト2点リードで迎えた5回だった。一死一塁で投手・伊藤の打順で阪神ベンチが動く。当初はネクストに木浪を用意していたが、梅野が四球を選ぶと、矢野監督は、代打をロハスに切り替えた。初球のストレート。ヤクルトの中村はインサイドに構えていたがそれはど真ん中へ。“ライアン小川”の失投を振り抜いた打球はバックスクリーンの奥に飛び込む同点の6号2ランとなった。ロハスは甲子園のバックスクリーン弾にかかっている賞金100万円もゲットした。代打の外国人の初球にストライクはタブー。加えてコントロールミスが起こりえる球種とコースを選んだ中村の配球ミスである。