食前に食べる「〇〇」が血糖値の上昇を防ぐ! 40代、50代に多い不調や生活習慣病の対策におすすめ【40代、50代は血糖値に要注意⑥】
【食前○○なしの日】 朝食メニュー:ベーコンエッグ&サラダ、ぬか漬け(きゅうり・みょうが)、オクラのっけ納豆、味噌汁(明日葉、えのき、油揚げ)、雑穀米、(グラフ[E])。
【食前プロテインの日】 朝食15分前にプロテイン1杯(グラスフェッドホエイ:タンパク質15g、糖質2g)。 朝食メニュー:ベーコンエッグ&サラダ、おかひじきのおひたし、納豆、ぬか漬け(きゅうり・しょうが)、味噌汁(明日葉、エノキ、油揚げ)、雑穀米(グラフ[F])。
[E]食前〇〇なし [F]食前プロテイン 175mg/dLまで上昇していた朝食。けれど、食前プロテインをとった日は125mg/dLまでしか上昇せず、しかもスパイクのようなトンガリもできていない。Hさんにとって、朝食でこれは珍しいことだそう。
試す価値あり!「食前○○」を取り入れる工夫を
モニターたちの報告を見た山村先生がまとめてくださった。 「なかなかわかりやすい結果でしたね。 血糖値が上がりやすい人、カーボ・ラストが難しい人は、『食前○○』が効果的だと思います。 特に、朝の慌ただしい時間に、牛乳や豆乳など準備の必要がない手軽なドリンクを食前に飲んでおくとよいと思います。乳製品には乳糖という糖質が含まれていますが、ブドウ糖とは違ってあまり血糖値に反映されないようです。プロテインはよりGOOD。40代、50代の女性なら、筋肉を増やすためにもおすすめですよ。 ただ、水はもちろんコーヒーや紅茶などのお茶類では、意味がありません。また、市販の野菜ジュース類の中には糖質の高いタイプもあるので、栄養成分表示を見て買うようにしましょう。 そして、すばらしい効果があったのがナッツ類ですね! 糖質が低いうえに脂質、食物繊維ともに含まれています。ランチなら、職場のデスクでナッツを食べてから食べに行くのもいいんじゃないでしょうか」 目には見えない血糖値をモニタリングすることで、さまざまな発見があった! 「糖尿病には運動がよい、とよくいわれますが、実際、食後の運動で血糖値を抑えられることもモニタリングしているとわかってきます。 測定まではせずとも、血糖値が上がりやすい40代以降は、食べ順を変えてカーボ・ラストにする、食前〇〇を意識する、とにかくよく嚙んでゆっくり食べる、などを心がけて、血糖値の急上昇や乱高下を避けるとよいでしょう。将来のためにも、(インスリンを出す)すい臓を酷使しないように過ごしてくださいね」 ※血糖値の変動には個人差があり、モニターの結果はあくまで一例です。同じ食材をとっても人によって、また食べるタイミングなどによって変化します。
【教えてくれたのは】 山村 聡さん 糖尿病内科医。九州大学医学部卒業。東京ミッドタウンクリニックで診療するかたわら、糖尿病啓発・予防のため血糖値に関するSNS発信を行っている。豊富な診療経験をもとに、一人一人のライフスタイルに合わせた血糖値改善、ダイエットプログラムの開発にかかわるなど予防と医療の架け橋として活動中。自らの体を実験台にしてさまざまな食材の血糖値を測定するYouTubeチャンネル「やさしい内科医のY's TV」が人気。登録者数は7万人超。 取材・原文/蓮見則子