全英V快挙の渋野日向子が凱旋帰国会見で明かしたこと…「笑顔の秘密と東京五輪金メダル獲得への決意」
女子ゴルフの全英女子オープンで優勝した渋野日向子(20、RSK山陽放送)が6日、凱旋帰国、羽田空港で優勝報告会見を行った。天然語録を連発した渋野は「スマイル・シンデレラ」と呼ばれる笑顔の理由や、強さの秘密を説明。ジュニア世代や昨年豪雨の被害にあった故郷・岡山への思いを語ると同時に東京五輪出場への熱い決意を明らかにした。渋野は休むまもなく9日に北海道・北広島市で開幕する「北海道meijiカップ」に出場予定。「気負わず自由に」プレーするという。
天然な渋野節が全開!
羽田空港の国際線到着ロビーにはカメラが20台以上並び、メディアだけで140人、ファンを含めると300人以上の出迎えがあった。配置された警備員が「止まらないでください!」「道を空けてください!」と連呼する騒々しい雰囲気の中、渋野が契約しているビームスのYOSHINORI KOTAKEの黒いキャップに黒いTシャツ、黒いパンツのラフなファッションで到着口から登場。大きな拍手と歓声、フラッシュの嵐に笑顔で答えた渋野は会見には上下のウエアを着替えて、終始、笑顔で約1時間にわたってユーモアにあふれる爽やかで素直な受け応えをしてみせた。会見はスタートから“渋野節”のオンパレード。 「向こうに着いたときから日本に帰りたいと思っていた」 「飛行機では、寝て、ご飯食べて、寝て、フルーツ食べて、JALさんからケーキをいただき凄く美味しかった。でも早く着いてくれと思っていた」 祝福のラインやメールは1000件弱も届き返信ができていないという。 「まだ凄いことをした実感はない。だんだん湧いてくるかな」 英国での感動の4日間が生々しく蘇った。 「全英イコールリンクスと思っていたのですが、日本のような林に囲まれたコースで練習ラウンドをしていて回りやすいと思っていた」 3日目が終わって単独首位に立った。 「そこで優勝を意識した」 だが、最終日には、3番でダボを叩き、ライバルに首位に並ばれピンチを迎えた。 「攻めた結果だったので、怒ることはなかったんですが、だんだん悲しくなってきて……それでも、なんとも思わず攻めて頑張った。追われる立場より追う立場の方が実力を発揮できる。ダブルボギーで後退したが、ここから上げて行こうと思った」 得意のバック9で盛り返すことになるが、気持ちの切り替えに役立ったのが、「タラタラしてんじゃね~よ」などの駄菓子をパクつく“もぐもぐタイム”。 「最後の方は緊張したが、お菓子を食べて緊張を和らげた。お菓子が大好き。食べることでお腹が満たされるし緊張もちょっとほぐれる」 今食べたいお菓子は「梅昆布」だそう。 残り3ホールはリゼット・サラス(30、米国)とのマッチレースとなった。先にホールアウトしたサラスがバーディーパットをはずしたことは知らなかったが、パーに終わったことはわかっていたという。最後の18番。入れれば優勝、外せばプレーオフの6メートルのパットは強めに打った。「後で映像を見たが、かなり強かったですね」と本人が言うほど。 だが、パッティング技術には「数値も上がっているし成長している」という自信があった。 「パットをしているときは、リズムのことばかりを考えている。1メートル弱まではオーバーのイメージで狙う。コツは決めたらすぐに打つこと。いろいろ考えるとわからなくなる」 ボールはカップの後ろに当たって吸い込まれた。 優勝の瞬間は、涙はなかった。 「驚きが凄くて涙も出てこないくらいビックリした。泣きそうになったんですが、まったく出てこなかったんです(笑)。なんでだろう? 嬉しかったんだと思います」