全英V快挙の渋野日向子が凱旋帰国会見で明かしたこと…「笑顔の秘密と東京五輪金メダル獲得への決意」
渋野は、この日、ゴルファーとしての原点の話もした。 中学時代には、軟式野球部に男子に混ざって入部した。 ゴルフとの二刀流で中1で岡山ジュニア選手権で優勝、LPGAのステップアップツアーでプロと回った。そこで「プロがいいなあと思った」のが、二刀流中止のきっかけになった。 「野球は朝練、午後にゴルフ練習していた。(しかも野球部では)男子と体力差があります。中2になったとき(野球部の)監督が“ゴルフ1本に絞ったらどうか”と言っていただき、そこで決めました」 ソフト、野球とは決別したが、その経験はゴルフと深く結びついている。 初の海外試合となる初のメジャー挑戦でいきなり優勝を手にした。今年3月にツアーデビュー。7戦目のフジサンケイレディスまで一度も優勝争いができなかった。 「シーズン前は、優勝とか考えていなかった。静かに生きていこうと(笑)。メジャー制覇? 正直まったく考えていなかった。この年齢でレギュラーツアーに出られるとも思っていなかった。想像以上の結果。海外メジャーも一生に一度出られたらいいなと思うくらいで」 それが国内2勝を手土産にメジャーまで制覇したのである。 まさにシンデレラガールは、何を得たかと聞かれ「学びにいったんですが、優勝しちゃったんで。何を学んだかな。ふふふ。わからないです。すみません」と笑い、世界観が変わったか?の質問にも「まったく変わっていない」と断言した。 それでも成長点を「ここぞのときのパッティングとショット」と自己分析している。 「パー4でもドライバーを使った。ドライバーは自信を持ってふれる。緊張する場面で、振り切れるところだったり、ここで決めたら首位になれるというところで(パットを)しっかり決められたこと。技術も気持ちも成長している」 さて気になる次の目標。 「五輪までしか考えられない。将来、賞金女王、ジュニアの見本になれるように頑張りたい」 五輪の2文字を口に出した。 ランキングも32人抜きで14位となり東京五輪出場の可能性が具体化したのである。 五輪出場権を得るルールは「2020年6月30日時点の五輪ゴルフランキング上位15位までの選手で各国最大4名」「16位以下については、1か国2名」というもので、15位以内が目安。現在、10位の畑岡奈紗(20、森ビル)、14位の渋野の2人が、その条件を満たす。 「順位? かなりジャンプアップした。東京五輪に出るためには、これくらいの順位にずっといなくちゃいけない」 五輪へのこだわりの裏にあるのは、ソフトボールで上野由岐子が413球の激投を演じて日本女子初となる金メダルを獲得した2008年北京五輪の記憶だ。 今でも「たまに(当時の映像)動画を見ている。こうやって五輪で活躍すると、私も元気になったように日本中が元気になるんだ、と思った。だから日本を元気にしたい。まだ出れるかわからないのですが、金メダルは自国開催なので取りたい」 金メダル獲得への決意を口にした。