全英V快挙の渋野日向子が凱旋帰国会見で明かしたこと…「笑顔の秘密と東京五輪金メダル獲得への決意」
現地メディアからは「スマイル・シンデレラ」と名付けられた。 「シンデレラは、よく言い過ぎ」と謙遜したが、「それで外国人のギャラリーに知ってもらった。そうやって名付けてもらったのは嬉しかった」と感謝の言葉を続けた。 その笑顔が渋野の武器だった。 「最終日、最終組でも笑っていられるのは強さの秘訣かも」 喜怒哀楽が激しく、メンタルの浮き沈みがもろにスコアに反映され勝てなかった。 陸上の投擲選手だった両親からの教えがあった。 「今までラウンド中に喜怒哀楽が出ていた。そこを言われた。“笑顔がいいよ、笑顔が可愛いよ”と凄く言ってくれた」 初優勝した5月のサロンパスカップから、その笑顔を軸にしたメンタルコントロールが結果につながるようになった。 「顔だけを変えている。力みはミスにつながるので気楽になるために」 ひとつのホールでミスをしてもその怒りを次のショットにぶつけて笑顔を取り戻す。笑顔は、彼女の切り替えのスイッチ。ミスした後のバウンスバック率日本一の理由である。 「笑顔は世界共通だとわかった。笑顔で努力すると結果に出るんだなあ。言葉ができなくてもコミュニケーションはとれるんだなと。この笑顔によって色んな人に知っていただけた」 ギャラリーも巻き込みラウンド途中にはハイタッチもした。 「プロゴルファーは、ギャラリーに魅せる競技。ギャラリーの方々に喜んでもらうには心からの笑顔で楽しくやらないとみんな楽しくない」 渋野は英語が得意ではないが、ギャラリーから「ゴルフを笑顔にしてくれてありがとう」という意味のメッセージをもらったことが判明。「そんなことをしたのかな」と笑顔が持つ力を改めて実感したという。 責任と切り替えの重要さは、小学生までゴルフとの二刀流でやっていたソフトボールから学んだ。42年ぶりのメジャー制覇に多くの反響があったが、「一番嬉しかったのは、上野由岐子さんのコメント」だったという。ソフト出身の渋野にとって憧れの人。 「ゴルフよりソフトが好きだ」という発言が物議をかもしていたが、この日も改めて、どちらが好きかと聞かれて「ソフトボールです」と即答して笑わせた。 そのソフトボールではピッチャーをしていた。 「ピッチャーって一番大事な役なんで自分が崩れてしまうと負ける。四球、打たれても。(だから)気持ちを切り替えて次をやんないといけない。その経験は生きている。団体競技は大好きだしやっていてよかった」 右利きだが、バッティングは左打ちだった。 「体のバランスを考えて、監督だったりゴルフのコーチが薦めて下さった。それがゴルフにつながっているのかはわからないが、右打ちの野球選手は、スライスを打つイメージがあるが、私は左だったのでそういうボールはあまり出ないかな」 ぶれずに飛距離を稼ぐショットのバックボーンはここにある。