20代から60代まで!年代別おすすめ筋トレをプロが伝授
健康に関する悩みは尽きないけれど、そのなかでも特に多いのは「自分にとってベストな運動とは何なのか?」というもの。 【写真】簡単にお尻を引き締め!おすすめの「臀筋トレーニング」 気分が乗らない日は、無理をせずに自分をやる気にさせるワークアウトを楽しむのも大切だが、もし最大限の効果を求めるなら「筋トレ(筋力トレーニング)」がベスト。筋トレなら、骨の健康を守りながら、身体組成のバランスも維持し、どんな年齢においても役に立つこと間違いなし。 もちろん、年齢とともに食事の好みが変わるように、トレーニング方法も変化させることが望ましい。たとえば30代では筋肉の増強を中心に、50代ではモビリティ(可動性)を重視したトレーニングをするなど、異なるアプローチが推奨される。 いくつになっても健康でいるために、ここでは筋トレのプロに聞いた、年代別のおすすめ筋トレをお届け。
1)10代後半~20代前半の人には?
おすすめ:ファンクショナルトレーニング 「この年齢層では、体のバイオメカニクスは常に変化しています。腰から膝までの角度が広がり、重心が移動し、身体組成が変動します」と説明するのは、女性の健康を専門とする運動生理学者のステイシー・シムズ氏。 そこでおすすめなのが「ファンクショナルトレーニング」。日常の動作をベースとしたトレーニングにフォーカスすることで、ケガのリスクを減らし、変化し続ける体に逆らうことなく、動かすことができるという。 スクワットを例にあげると、「完璧なフォームでできていると思っていても、体は日々変化するため、動きのパターンを定期的に変えていく必要があります」とシムズ氏。 女性の筋力トレーニングの専門家で、理学療法士のクリスティーナ・プリヴェット氏もこれに同意。フォームを固める前に重量を加えて負荷をかけすぎることで、ケガをしてしまうアスリートをよく見ているという。それが理由で、若いアスリートの半数近くが骨盤底に問題を抱えているという研究結果も出ているそう。「ウエイトリフティングを避ける必要はないですが、重量を増やす前に正しいブレーシング(腹部を横方向に膨らませるトレーニング)の方法や、トレーニングのメカニズムを学ぶことが大切です」 シムズ氏は「10~20回のトレーニングを3セット行い、4セット目でも楽に感じられるようになった」段階から、プログレッシブオーバーロード(漸進性過負荷の原則)にならって重量を徐々に増やすことを推奨。 若者の筋力トレーニングについて書かれた『Strength Training For Young Athletes』に掲載された研究によると、プログレッシブオーバーロードによって、ウエイトを使う筋力や技術を向上させられるという。「まずは低重量で回数を多めに設定する、ローウエイト・ハイレップからスタート。可動域をフルに使い、すべての動作パターンに慣れてきたら、2~4週間ごとに1~2kgずつ増やしていきましょう」とシムズ氏は解説する。 主に次の7つの動作パターンを習得することがおすすめ: ・プッシュ:体からウエイトなどを離す動作 ・プル:体にウエイトなどを引き寄せる動作 ・スクワット:両足を肩幅に開いた体勢で、股関節やひざの曲げ伸ばしを行う動作 ・ランジ:足を前後に開いた体勢で、股関節やひざの曲げ伸ばしを行う動作 ・ツイスト:ひねる動作 ・プレス:頭上にウエイトなどを押し上げる動作 ・ゲイト:ウォーキングやランニングなど このトレーニングの目標は、関節を動かす「コンパウンド・エクササイズ」、筋肉の収縮伸長をすばやく繰り返す「プライオメトリック・トレーニング」、片側ずつ行う「ユニラテラル・トレーニング」を組み合わせて、全身をしっかりと使えるようになること。 1週間のワークアウト例: シムズ氏が提案するのは、上半身と下半身、腹筋、背中の上部・下部といった主要な筋肉を、1日30分・週3日鍛えるトレーニングプラン。なお、トレーニングは連日行わないことを推奨。 ・上半身のファンクショナルトレーニングを30分/週1回 ・下半身のファンクショナルトレーニングを30分/週1回 ・腹筋や背中のファンクショナルトレーニングを30分/週1回 ただし、学術誌『Pediatric Exercise Science』に掲載された研究によると、この年齢層は神経筋が変化するため、休養をはさむとせっかくの効果が損なわれる可能性もあるので、注意が必要。