20代から60代まで!年代別おすすめ筋トレをプロが伝授
2)20代後半から30代半ばの人には?
おすすめ:ハイパートロフィー&パワートレーニング 筋肉量と筋力は、30~35歳でピークを迎えるいっぽうで、30歳を過ぎると、筋肉量は10年ごとに3~8%減少してしまう。だからこそ、筋肉を肥大化させる「ハイパートロフィー」というトレーニングが大切になってくる。 ハイパートロフィーとは、中~高程度の負荷で、10~12回のトレーニングを3~4セット行い、筋肉の収縮に必要な収縮性タンパク質の数を増やし、筋肉をより大きく、より強くするトレーニングのこと。 さらにこの年齢層になると、筋肉量だけでなく、短時間でスピードとエネルギーを生み出すパワーも、10年ごとに7~14%低下していくと推測されている。だからこそ「パワートレーニング」も重要。 「パワートレーニングは、筋力トレーニングにスピードを加えたもので、1セット2~4回を繰り返すものになります」とシムズ氏。このトレーニングは、脳から筋肉にできるだけ早く信号を送る力を鍛え、筋神経系を強化し、刺激に対して効率的に体が反応できるようにする。 スポーツ・健康科学分野の学術誌『Sports Medicine』に掲載された研究によると、身体組成や骨密度、パワーを向上させ、ケガのリスクも減らしたいのであれば、前述のプログレッシブオーバーロードに、ハイパートロフィーとパワートレーニングを加える方法が良いという。 もちろん、開始してすぐに結果を期待するのはNG。まずは4週間、ハイパートロフィーで筋肉を鍛えてから、2週間のパワートレーニングを加えるように、とシムズ氏は助言する。 その後は、トレーニングを軽くする「ディロード」の週を設けること。回復させる時間を与えることで、筋肉がより強く成長することを促し、ある研究では骨密度も向上させると報告されている。 妊娠を計画している場合についても、プリヴェット氏は「妊娠中の人へのアドバイスは、相反することもありますが、この重量をあげていくトレーニングは安全かつ有益だといえます」と補足する。とはいえ、これまでウエイトリフティングなどをしたことがない人は、妊娠中にいきなり試すのはベストではないという。 いずれにしても、体の声に耳を傾け、不安なことがあればかかりつけ医に確認することが大切。 1週間のワークアウト例: ・ハイパートロフィーを60分/週2回 ・パワートレーニングを30~45分/週2回 「いずれのトレーニングも筋神経系に負担をかけるので、連続して行わず、1日以上空けて週4回までの実施としましょう」とシムズ氏。「パワートレーニングの力を最大限に発揮させるため、1セット2~4回、または6~10秒で行うことを推奨します」