20代から60代まで!年代別おすすめ筋トレをプロが伝授
4)50代の人には?
おすすめ:ヘビーリフティング&モビリティ 10代後半~20代前半の人たちが、変化する体に合わせて動き方を学び直す必要があるのと同様に、更年期を迎える人たちにも同じことが言える。 身体組成の変化だけでなく、エストロゲンのレベルが低下すると痛みを伴う炎症につながるため、関節の動きが鈍くなったように感じられるかもしれない。また、骨のクッションとなり、関節内の摩擦を軽減する関節液の量も減少するため、軟骨のすり減りも進行する。 以前と比較すると、思うように体が動かない可能性も。しかし、シムズ氏は「(この年齢層においても)ヘビーリフティングに重点を置くことに変わりはありません」と説明。更年期および閉経後の女性の症状緩和に、筋トレが有効だという研究結果も出ているとのこと。 なお、段階を踏んでいくことがカギ。振り出しに戻す必要はないが、負荷をかけすぎる前に、各トレーニングに対して自分の体がどう感じるか、確認することが大切。重量を加える前に、自重で1セット行うのもおすすめ。 さらに、モビリティストレッチの実施が不可欠。シムズ氏は、モビリティ、つまり可動領域を拡大させる動きを少なくとも週に2回、20分間行うことを推奨している。もちろん、ワークアウトに特化したウォームアップ&クールダウンも必須。面倒に感じるかもしれないけれど、この工程をスキップするのは禁物だ。 「40代後半から50代前半の女性が、ワークアウト前や重量を上げる前にウォームアップを行うことが重要なのは、ホルモンの変化により軟部組織や関節を痛めやすいためです」とシムズ氏。 これは筋肉だけでなく、将来の健康のためにも大切。「レジスタンス運動は、認知症やアルツハイマーのリスクを軽減させる、脳の神経成長因子の生成を促進させます」 2020年にシドニー大学が発表した研究によると、筋トレは脳の学習と記憶をつかさどる海馬の小領域を、変性や縮小から守る可能性があるとのこと。なおこの研究では、26週間以上にわたり、参加者は90分のワークアウトを週に3回実施。ワークアウトでは主要な筋肉群を鍛える5~6種類のトレーニングを8回×3セット行い、それぞれに特化したストレッチも行ったとのこと。 1週間のワークアウト例: ・下半身のウエイトリフティング&モビリティストレッチを45~60分/週1回 ・上半身のウエイトリフティング&モビリティストレッチを45~60分/週1回 ・全身のウエイトリフティング&モビリティストレッチを45~60分/週1回 ・オプション:HIITを15分/週1回 シムズ氏は、時間があればHIIT(High-intensity interval training:高強度インターバルトレーニング)を加えることを推奨。「1回15分のHIITを90%の力で行えば、筋肉量の維持をサポートする成長ホルモンとテストステロンが刺激されます」