「毒親」とは縁を切った方がいいの?自分にとって毒になる「重い親」との付き合い方を臨床心理士が解説
『親が重い……』『親と一緒にいるのがしんどい……』といった悩みは、カウンセリングの中でもよく聞かれる話題のひとつ。自分のすることなすことに対して過干渉であったり、暴言・暴力などを用いて自分の思い通りに支配しようとする、ありのままの姿を受け止めてくれない言動や行動をとる親のことは『毒親(=毒になる親)』と呼ばれたりしています。もし自分の親にそういった傾向が当てはまっていると感じているならどうすべき? 【写真】「母親との距離を縮める」5つの質問 臨床心理士である筆者がアドバイスします。
『毒親』とは?
1989年にアメリカの医療コンサルタントであるスーザン・フォワードが『毒になる親』という言葉で提唱した概念で、今では略して『毒親』と呼ばれることが多いです。具体的には、以下のような特徴が当てはまると言われています。 ・自分の思い通りに子どもを支配しようとしたり、干渉してくる ・『子供であっても、一人の人間である』ということが認められずに、『子供は自分のもの』という意識がある ・自分で自分のことを判断できる年齢にもかかわらず、「○○しなきゃだめよ!」「××したの?」などと、子どもの自立する機会を奪う ・「そんなこと考えるなんてありえない」「そんな風に感じる子に育てた覚えはない」など、あなたの気持ちや価値観を否定してくるような声掛けをしてくる ・自分の存在自体を否定する ・叩く・蹴るなどの肉体的な暴力を振るってくる ・相手が傷つくような言葉を選んで傷つけてくる ・他の兄弟のことは可愛がるのに、自分に対しては冷たい
毒親が与える影響とは?
長い間、毒になるような親の影響を受け続けると、肉体的・精神的なダメージが蓄積していきます。それによって、自尊感情や自己信頼感の低下、人間不信を引き起こすことにつながっていきます。また親や家族に対するマイナスイメージから、十分大人な年齢になっていても、パートナーと親しい関係になることを避ける、結婚し家族を作ることに自信が持てないなどの影響も。