金子恵美、夫の過ちをなぜ許せたか。関係修復の処方箋とは
息子に過去を語ることが父としての「けじめ」
小学3年生の息子は、私が落選して議員を辞めたことは知っていますが、宮崎が辞職した理由は知りません。国会議事堂の前を通ると、「パパは政治家だったんだよ。あそこにいたんだよ」という話をするのですが、「なんでパパは今、そこにいないんだろう」と思っているでしょう。先日、私と宮崎が出演したある番組を見た時には、「パパなんかしたの?」と聞いてきました。 過去の件について、息子には宮崎がタイミングを見て自分で話すと言っているので、任せようと思っています。辞職会見でも「父として出直していきたい」と言っていましたし、それが自分のけじめだと思っているようです。息子はパパのことが大好き。私の母が「断然パパっ子だね」って言うほどです。息子に恥じない生き方をすると誓ったのが、息子にも伝わっているのかもしれないですね。
未来が想像できるなら、継続も選択肢に
今、恋人や夫の浮気に直面している方もいらっしゃるかもしれません。わかった時点で迷いなく関係を終わりにする方もいると思いますし、それはもちろんそれぞれでいいと思います。気持ちをこちらに向かせるのが難しいのに、ズルズル時間をかけるのも違うと思います。そこまで苦しい思いをし続けるのは、自分や子どもにとってもよくない。自分の幸せのために見切ることも大切だと思います。 でももし、やっぱり好きで、これから関係を続けるか悩んでいる方は、目先のことよりも、もう少し先のことを考えてみるのはいかがでしょうか。10年後、20年後の自分をイメージしてみて、その相手が自分の隣にいることが想像できるか、いても違和感がないか、自分がなりたい自分になれているか。 もしなんとなく一緒にいることをイメージできたら、ひとつのあやまちに目をつぶって、もう少し関係を続けてみるという選択肢もあると思うんです。そこで終わらせてしまったら、その先の未来はない。瞬間的な怒りの感情に流されず、ちょっとひと呼吸を置いてから判断するのもいいと思います。 継続という選択肢を選ぶ時、おすすめなのが、具体的な改善のアクションプランを出させること。「ごめんなさい」とか「もう二度としません」とか口で言うのは簡単ですし、表面的な謝罪を信じることはなかなか難しいと思うので、本当に反省しているのか見極めるのが大事だと思います。相手ももし継続を望んでいるなら、なんとか努力するはず。口だけでなく態度で示すということですね。 宮崎の場合、一度目は生まれたばかりの息子の育児に専念すること。二度目はちょうど息子が小学校受験を控えていたので、受験のサポートに徹するということでした。私の両親も驚くほど全身全霊で子育てに向き合う宮崎の姿を見て、彼の懺悔と真剣さが伝わったんです。
あの選択は良かったと今は思える
私の場合は、許したことで結果的に今の幸せな日々があります。当時、それを確信していたわけではありませんが、あの時の選択は良かったと今は思えています。 大変だった当時に戻りたいとは全く思いませんが、乗り越えてしまえばあれもいい思い出。夫婦の絆にもなっていると思います。夫婦間のことだけでなく、家族や社会に対しても、寛容な人、許すことのできる人の方が周りに人が集まってくるし、幸せが寄ってくるはず。私は昔からそんな人でありたいと思っていましたし、宮崎の出来事を通じて、それが実践できたのかもしれませんね。
お話:金子恵美 文:黒澤真紀