[国スポ少年男子]鳥栖アカデミー所属の10人とともに佐賀県の先発務める井上叶翔(龍谷)。インハイ1ゴールのFWがCBとして活躍中
[9.24国スポ少年男子準決勝 愛媛県 2-4 佐賀県 駅スタ] 佐賀県は先発11人中10人がサガン鳥栖アカデミー所属のプレーヤーだ。その中で、CB井上叶翔(龍谷高、2年)が堂々のプレーを見せている。この日は背後を狙ってくる愛媛県の攻撃に対し、守備範囲広く対応。味方のミスもカバーしたほか、競り合いでの強さやボールを繋ぐ部分でも貢献していた。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 CB米湊勇弥(鳥栖U-18)とともに堅守を支えた井上は、「センターバック同士でコミュニケーションを取りながら、背後の対応の仕方とかしっかり話し合いながら今日はやれたかなと思っています」。CB歴は浅いが、チームメートたちから吸収しながら、試合ごとに成長を示しているという。 井上は所属する龍谷高でFWを務め、今年のインターハイ1回戦(対瀬戸内高)ではゴールも決めている。その一方、佐賀県選抜では今年4月からCBにチャレンジし、「少しずつ慣れてきた」。成長を続ける井上について、末藤崇成監督(サガン鳥栖U-15唐津)は「彼は真面目で、吸収力もあって、謙虚で、身体も凄く利くので、1試合1試合、凄くセンターバックとしての経験値とやれることが広がって、凄く成長を感じますね」と説明する。 井上は「(自分からアクションをかけるFWと異なり、)センターバックは相手に合わせた守備をしなければいけない」ことに難しさを感じながらも、全国舞台で健闘。加えて、唯一の早生まれ2年生は、鳥栖アカデミーの選手たちと声を掛け合いながら連係を深めている。 元々、リーダーシップを取るタイプではなかったというが、チームを強くするためにも、自分からコミュニケーションを取ることを意識。1年生たちから学べることを貪欲に取り入れながら、自分の成長にも繋げている。 大舞台を勝ち抜いている経験は、大きい。井上は決勝も勝って、選手権予選を控える龍谷により多くのことを持ち帰る意気込みだ。「国体でやったことをチームに戻っても、自分から発信して、チームの状態も上げて、自分の成長にも繋げられるようにしたい」と語った。 井上は筑後FC U-15(福岡)から先輩の存在やチームのサッカーに魅力を感じ、「選手権で全国行くのがやっぱ夢だったんで、それをできるのが龍谷」と隣県の強豪・龍谷へ進学。元Jリーガーの太田恵介監督に指導を受けている。 「(太田監督は)オンとオフがしっかりしているんですけど、やっぱやるときはやって、楽しむときは楽しむって感じじゃないですか。メンタルのところをしっかり指導されて、メンタルのところも強くなりましたし、試合中の無理が利く身体だったり、気持ちの部分はやっぱ成長できているかなと思います」。加えて、佐賀県選抜で身につけた力で躍動中。広島県との決勝(25日)でも得点ランキング首位のFW信重亮二朗(広島ユース、1年)や年代別日本代表選手たちを封じ込み、日本一を勝ち取る。