「はやぶさ2」カプセル内に砂 JAXA会見(全文3)大量の試料が必要な分析が行える
データの報告はしばらくお待ちいただければ
橘:はい。ガスのサンプルに関しましては、なるべく新鮮なうち、早いうちに分析したいということで、宇宙研のキュレーションによるカタログづくりの一貫と初期分析の一貫ということで、両チームが協力をしまして、6カ月後に始まる初期分析に先立って、一部の分析が開始したり、これから始まったりという状況。 データのご報告に関しましては、プロジェクト【** 01:14:11】と相談しながらやっていきたいと思いますので、しばらくお待ちいただければと思います。 大塚:はい、分かりました。楽しみにしております。ありがとうございます。 司会:はい、ありがとうございます。続いて東京新聞の増井さまお願いいたします。岡崎さんと臼井さんにご質問となっております。
リュウグウ表面の物質もガスに含まれるのか
東京新聞:東京新聞の増井です。よろしくお願いいたします。岡崎さんにガス分析の質問なんですけれども、相模原でもウーメラでもガスが確認されて、有機物が出てきただろうということで、ちなみにリュウグウの表面にあったものも、その中に含まれているんでしょうか。それとも有機物がこすれたりして、出てきているのか、どういう由来だとお考えなのでしょうか。 岡崎:岡崎です。リュウグウの表面にあったリュウグウの大気というわけではなくて、リュウグウの岩石試料の石と石との隙間ですね。そういう鉱物の粒間にあったもの、あるいは太陽風といって、非常に鉱物の表面、50ナノメートルぐらいしか滞在しないような、そういう表面にあるような揮発性のガスが擦れてコンテナの中に遊離していたと考えています。 東京新聞:追加なんですけど、そのガスは世界初のサンプルリターンっていうことなんですけど、その太陽風が含まれているんだったら、「Genesis」が太陽風を持ち帰っているので、世界初と言えるのかなというのは疑問なんですけど、どのようにお考えでしょうか。 岡崎:「Genesis」もそうですし、「はやぶさ」初号機もそうなんですけど、鉱物の表面に滞在している太陽風っていうのは、気体としては普通存在しておりません。鉱物の表面にたたき込まれていて、タイトに保存されている状態です。一方、今回、われわれ「はやぶさ2」が目指したのは、もっと太陽風もそうなんですが、鉱物同士、粒間に入っているような、割れるとすぐ出てきてしまうような、そういうガスすら逃がさないような構造をメタルシールによって達成して、それがまさに今回、成功していったということを確認できたっていうのが、効果のご報告の中心的なことになります。よろしいでしょうか。 【書き起こし】「はやぶさ2」カプセル内に砂 JAXA会見 全文4に続く