「育児本は赤ちゃんのことばかりで、親がどう工夫すればいいのか書いてなかった。ないなら僕が書こうと」子育てがラクになるノウハウを集めた育児本の著者ヨッピーさんインタビュー
「親がどう工夫すべきか」にフォーカスをあてた育児本がないなら、自分で書こう!
育児本には「赤ちゃんにはこうしてあげましょう」ばかりで、それを効率的に行うには親はどうすればいいかについて書いていない――。確かにこれは盲点かもしれません。もちろん、ポイントポイントでどうすればよいのかを説明してある場合もあると思いますが、「赤ちゃんにこうしてあげるために、親はこんな工夫をしましょう」という、親の動き方に特化し、その視点だけで育児について語った本はなかなかありません。そういう意味で、ヨッピーさんの育児本は「革命的である」と言えるのです。 実際に、ヨッピーさんの本では、洗濯、料理、買い物、掃除といった家事全般の圧縮のしかた、子育てに備える体力のつけ方、育休を取るための諸注意など、どうやって子育ての以外のことを圧縮するか、また子育てを効率化するための人手と体力を確保するかについて具体的な方法が書いてあります。これは、子どもにとくに手がかかる時期は、親が「家事」ではなく「子育て」に集中し、多くの力を(多くの人の手を)「子育て」に注(そそ)げるようにするために必要なことだと、ヨッピーさんは言います。 「幸い、僕はまだ子どもが生まれる前に気づけたので、『生まれたら育児シフトになれるように、今のうちから準備しとかんと、どうもやばそうだぞ』みたいなことを妻に伝えて、妻の妊娠中から、夫婦で家事代行とか宅配食とか、家事を圧縮するのに便利なものはいろいろ試して、準備を始めました。 で、その準備のおかげか、実際に育児が始まったら、正直思っていたよりも大変じゃないなと感じたんですよ。まぁ、子どもの特性にもよりますし、新生児のときはどうしても睡眠時間を削られるんで、大変でしたけどね。 ただ、育児に集中するための効率化とか、育児について考えたり調べたりしたことを周囲に話すと、意外とみんなが知らないことも多かったんです。 パパ友と飲んだりすると、みんな何かしら悩みごとがあって話したりするんですけど、前は僕のほうが教えてもらう立場だったのに、AI見守りカメラとか、ファミサポとか、申請したら戻ってくるお金とか、僕がこういうのがあるから使ってみたら? って、いつの間にか詳しくなっていて。だったら、この話を世に出したほうがいいんじゃないかって。 親にフォーカスをあてた育児本がないなら、自分で書こう!って。そう思ってできたのが、この『育児ハック』なんです」(ヨッピーさん) 実際にヨッピーさんが子育てをしながら実践してきたこと、使ってきたものが軸になって書かれているので、具体的でわかりやすく書かれているのもこの本の特徴です。 「確かに、難しかったり、ハードルが高かったりすることは書いてないはずなんですよ。だれでもまねできるものというイメージで書きました。だから、僕みたいな考え方で、すでに子育ての効率化を実践している人からしたら、割とありきたりな初歩的な内容と感じるかもしれません。でも、こういう考え方をしたことがなかった!みたいな人もたくさんいらっしゃって、そういう人からすると、わかりやすいとか、実践しやすいと言ってもらえている感じですね。 よく企業経営を円滑に進めるためには「ヒト・モノ・カネ」のバランスが大事と言いますけど、育児においても同じことが言えると思っています。ゆとりを持って子育てして、家族が幸せでいるためには、どう人手を増やし、どんな便利なものを使い、何にお金をかけるのか。 これから子どもが生まれるという人や、今現在、育児に追われて大変で心が折れそうという人には、ぜひ読んでほしいと思いますね」(ヨッピーさん) お話・写真提供/ヨッピーさん 取材・文/酒井有美、たまひよONLINE編集部 子育てに関して「ラクにする」「効率化する」という言葉を使うと、ちょっと聞いただけでは、冷たいように感じる人もいるかもしれません。でも、ヨッピーさんの場合は、子育て以外のことを効率化することで、子育てに集中することができ、結果子育てがラクになる、そして赤ちゃんも幸せにできるという考え方。子育てに手を抜くということではないんです。楽しく笑って子育てをしていくためには、限りある人手、体力、時間を効率よく使うことはとても大事ですよね。後編では、ヨッピーさんの実際の子育てでのエピソードや、本で紹介されている名言などについて、ご紹介します!