富山の至宝、IWA 5とTrésonnier(トレゾニエ)の夢の饗宴
自家菜園の採れたて野菜と、富山市池多地区に広い畑と裏山を所有する青山麗子さんのカラフルな野菜は甘みも苦みも本来の味を教えてくれます。それに合わせたのは2022年に発売された「アッサンブラージュ4」。瓶内熟成による複雑で重層的な味わいは春を感じさせる若々しさがあり、新鮮な野菜に寄り添います。
この後、「越中立山鴨」には「アッサンブラージュ2」を燗酒にし、「本ズワイガニ」には流通していないホワイトペッパーの香りを感じる「アッサンブラージュ1」をペアリング。そして魚料理が登場しました。ブリと同じ「孫七・川田水産」の甘鯛は鱗焼きに。まるで揚げたかのような鱗のパリッパリの食感と対比するように身はしっとりとして最高の仕上がり。山で摘んだセリ科の葉野菜「シャク」と「山人参」を添えています。ジョフロワ氏が選んだのは「日向燗」と呼ばれる30℃くらいのぬる燗にした「アッサンブラージュ3」。冷酒よりも香りが高く味わいにふくらみも感じます。
メインは立山「カシワファーム」の「立山放牧牛」を薪で香りをつけながら焼き、牛のうまみにエシャロットと塩漬けした行者ニンニク、赤ワインなどを混ぜたソースをつけていただきます。付け合わせには採れたての行者ニンニクを添えています。合わせたのは流通していないもう一つの味、「IWA 5リザーブ」です。これは歴代のアッサンブラージュが、主にフレッシュな原酒で造られているのに対し、IWA 5 リザーブは、瓶内熟成した原酒のみでアッサンブラージュされた前例のないイノベーティブな製法で造ったそう。
燻したベーコンをイメージする牛肉の香りと「IWA 5リザーブ」の乳酸を思わせる香り、そして行者ニンニクの香りが織りなす予期せぬハーモニーに食の楽しさを見いだします。 最後に「ふきのとうのアイスクリーム」、そして「大庄イチゴ」とIWA 5の酒粕で作ったムースに甘酒のムースを重ねたデザートでコースが終了。富山の雄大な風景を彷彿させる料理と日本酒に酔いしれました。