異例の前日公表!なぜ古巣FC東京に復帰した長友佑都は今日18日に“スクランブル”凱旋デビューを飾ることになったのか?
柏戦の内容や結果が繰り返される事態は、もう許されないと長谷川監督は力を込めた。だからこそ15日以降の全体練習で生じた化学反応を、横浜FC戦で再現させる必要がある。触媒の役割を果たした長友の先発を前日にメディアへ明言することで、ピッチ上で時間を共有する他の選手たちの導火線にも火をつける狙いがあったはずだ。 ならば、指揮官が明言を避けた長友のポジションはどこになるのか。 主戦場としてきた左サイドバックには、今年に入って日本代表デビューを果たした左利きの小川諒也がいる。FC東京でもリーグ戦で全28試合に出場し、チーム最長の2396分の出場時間をマークしている24歳は、右サイドバックでもプレーできる。 右利きの長友も、もちろん右サイドバックも務められる。前節までの流れを継続させるのならば左に小川、右に長友が配置される形が予想される。一列上げたサイドハーフを含めて、長友自身も「力になれるならどこのポジションでもいい」と公言している。 何よりも2010年5月15日の清水エスパルス戦以来、実に4144日ぶりに愛着深い青赤のユニフォームに袖を通す“再デビュー戦”が待ちきれないのか。17日の練習後に自身のツイッター(@YutoNagatomo5)を更新した長友は、両方の拳を握り締めながら雄叫びをあげる練習中の写真をアップした上でこうつぶやいている。 「練習でこんな叫ぶことあるかね 明日の試合勝利して叫びたい」 以心伝心というべきか。ベスト4進出を決めているYBCルヴァンカップの連覇と、来シーズンのACL出場権獲得を今シーズンの目標に掲げている長友は、右肩上がりに転じさせたチームの軌跡がたどり着く先に、悲願のJ1リーグ戦優勝をすえている。 FC東京に欠けていたピースを、合流からわずか3日でもたらしてくれたベテランへ、長谷川監督も「元気というものを彼からもらっている」と目を細める。 「さすがは10年以上、ヨーロッパで戦ってきた選手だなと。私から見ても存在感や雰囲気、風格を感じますし、一人でもそういう選手が出てくると、チームというものはガラッと変わる。多くの選手が彼の存在に刺激を受けていると思っています」 明治大学政治経済学部に籍を残したままFC東京とプロ契約を結び、デビューしたのが2008年3月8日の神戸戦。ヨーロッパ移籍とともに72試合で一度途切れた長友のJ1リーグ戦における軌跡は、午後7時に再開のキックオフを迎える予定だ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)