異例の前日公表!なぜ古巣FC東京に復帰した長友佑都は今日18日に“スクランブル”凱旋デビューを飾ることになったのか?
パッションが足りなかったと、自戒の念を込めながら柏戦を総括した長谷川監督は、同時に「誰か元気印が出てこないか」と選手たちの顔ぶれを見わたした。 「本当にタイミングよく入団してくれたというか、トレーニング中も大きな声を出してチームを引っ張ってくれている。難しい状況でチームを鼓舞し、リーダーシップを発揮するのは並大抵のことではない。その意味で彼の存在感に期待したい」 指揮官の目に留まったのは身長170cm体重68kgの鍛え上げられた鋼の身体から、あふれんばかりのパッションをほとばしらせていた長友だった。 柏戦から一夜明けた13日の練習試合(対戦相手非公開)で、出場を見合わせた長友はランニングなどに終始している。来秋のカタールワールドカップ出場をかけた、先のオマーンおよび中国両代表とのアジア最終予選を無所属の状態で戦い終えてから、十分なトレーニングを積んでいなかった状況が考慮された。 そして、満を持す形で全体練習へ合流した15日。FC東京に生じた劇的な変化を前にして、長谷川監督はすでに長友の先発起用を決めていたのだろう。35歳になったばかりの鉄人を中心に繰り広げられた、これまでとは異なる光景に指揮官は目を細めた。 「決勝戦を前にしたような、本当に緊張感のあるトレーニングをみんながしてくれた。こういう状況のなかで集中力を高く保つのは難しいことですが、一人の選手が入ることによって相乗効果というか化学反応が起きて、周囲の選手たちの気持ちが『やらなければいけない』と締まった。彼の存在感の大きさをあらためて感じました」 残り10試合となった今シーズンのJ1リーグ戦で、FC東京は12勝6分け10敗、勝ち点42ポイントで9位に甘んじている。優位に試合を進められるはずのホームで、6勝1分け5敗と勝ち切れない不本意な戦いの跡が大きく響いていた。 勝ち点で24ポイントも引き離されている、首位の川崎フロンターレを逆転するのは現実問題として極めて難しい。しかし、来シーズンのACL出場権を得られる、3位のサガン鳥栖との勝ち点差8ポイントはまだ手が届く距離にある。 J1リーグ戦を来シーズンこそ制するためにも、特にホームの味の素スタジアムでの戦いが「7」を占める、残り10試合の戦い方が大事になってくる。 「特にホームであればどの試合も全員が、キックオフから100%でやり切らないといけない。そういう試合を数多くできたチームがチャンピオンにふさわしいし、追い詰められなければできないチームはそれ相応の順位になると思うので」