大阪都構想 住民説明会10月4日午前(全文1)二重行政解消と住民サービス充実目指す
意思決定も今よりスピーディーになると期待
これらの問題を踏まえ、大阪にふさわしい大都市の仕組みとして考えているのが、大阪における特別区制度です。目指すものとしては2つです。1つ目は広域機能を大阪府に一元化し、二重行政を制度的に解消することです。知事と市長、府議会と市議会がそれぞれ一元化されることで、意思決定も今よりスピーディーになることが期待できます。また、司令塔機能が統合されることで、大阪トータルの視点で成長戦略や都市インフラ整備などを強力に推進することが可能となり、このことにより大阪のさらなる成長の実現も目指します。 2つ目は、大阪市を4つの特別区に再編し、住民自治を拡充することです。大阪府との役割分担を決定し、特別区では住民に選挙で選ばれた区長と区議会が、地域のニーズに応じた住民サービス、住民に身近なサービスに専念することにより、サービスの充実を目指します。 7ページと8ページをご覧ください。点字版では16ページからとなります。先ほど大阪における特別区制度では、大阪のさらなる成長と住民に身近なサービスの充実という2つの実現を目指しているという説明をさせていただきました。このページでは、そのうちの大阪のさらなる成長を目指す意義、効果についてご説明いたします。見開き左側のページが現状の課題、左側です。右側のページが目指すものとなっています。 7ページの左側、点字版では15ページからですが、市長と知事の絵の下に記載がございますように、大阪市と大阪府では双方が成長戦略や産業振興などの広域機能を担っていますが、かつては大阪市は市域内、大阪府は市域外という役割分担が固定化し、府市合わせと揶揄されるような連携不足などが発生していました。このため、大阪トータルの視点に立った都市経営ができず、大阪市をまたぐ広域交通インフラ整備の遅れなどが指摘されていました。
都市機能整備を強力に推進できる制度確立へ
その右側ですが、現在は同じ考えを持つ知事と市長が方針を一致させることで、協議、連携が進み、2025年大阪・関西万博の開催決定や研究機関や大学といった大阪府と大阪市の類似施設の統合が進み、税収や財政調整基金が増加するなど、さまざまな連携の成果が生まれています。 こうした連携は、知事と市長の人間関係に基づくものであり、特別区制度ではかつての大阪府、大阪市の関係に後戻りすることがないよう、8ページのところで、点字版では18ページの途中からですが、「めざすもの」として記載のとおり、広域機能を大阪府に一元化し、都市機能の整備を強力に推進できる制度の確立を目指します。 具体的には成長の司令塔機能を知事に一本化して、大阪トータルの視点に立った都市インフラ整備に重点投資することなどで、大阪の成長をスピードアップさせるとともに、大阪全体の安心・安全を確保します。そしてその先にはアフターコロナを見据えた大阪の再生、成長を図り、日本における東西二極の一極を担う副首都・大阪の実現につなげてまいります。 9ページ、10ページをご覧ください。点字版では20ページ途中からとなります。ここでは過去の大阪と現在の大阪府市の連携による取り組み事例を紹介しています。後ほど市長、知事から説明がございます。 11ページと12ページをご覧ください。点字版では28ページの途中からとなります。住民に身近なサービスの充実を目指す意義と効果についてご説明いたします。見開き左側のページに、現状と課題を、右側のページが目指すものとなっています。まず11ページ、点字版では28ページの途中からですが、現状や課題として、今後の少子高齢化を踏まえ、地域のニーズに沿ってきめ細かく住民サービスを行っていく上で、1人の市長が住民の声を聞き、人口270万人の状況を把握することは難しくなります。 また、これまで区長の権限拡充などの取り組みを進めてきましたが、予算編成や条例提案などは選挙で選ばれた市長の権限であるため、限界があります。近年、市民の皆さまの身近な問題としては、待機児童や高齢化の進展、地域の安全・安心などが挙げられ、より地域のニーズに応じたきめ細かな施策展開が求められていますが、多くは1人の市長が大阪市全体の状況を踏まえて判断しなくてはなりません。