「ユニクロ」インナーMDが語る、肌着からファッションピースへ進化する“ヒートテック”
「ユニクロ(UNIQLO)」は2024-25年秋冬、ヒートテックの新商品となる“極暖ヒートテックカシミヤクルーネック”を、9月6日に「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」から発売する。先日開催された展示会では、現在ファーストリテイリング イノベーション センター パリ(Fast Retailing Innovation Center Paris、以下FRICP)を拠点にグローバルのMDを統括するウィメンズインナー部門の炬口佳乃子(たけのくち・かのこ)商品企画担当部長が一時帰国し、新商品について説明した。 【画像】「ユニクロ」インナーMDが語る、肌着からファッションピースへ進化する“ヒートテック”
新商品“極暖ヒートテックカシミヤクルーネック”はカシミヤを9%混合し、締め付け感が少なくふんわり柔らかい着心地を実現した。暖かさは通常のヒートテックの1.5倍*1の“極暖”タイプとなるが、ループ内の空間が広くなるようふんわりと編むことで、従来の“極暖ヒートテックインナー”よりも約30%*2軽くなっている。 *1衣類の熱抵抗を表すCLO値を元に算出 *2極暖ヒートテック生地目付を比較
価格・耐久性・風合いのバランスを熟考
炬口MDは、「快適性、心地良さ、心が躍る感じ」を目指したという同商品の開発を振り返り、「道のりは難しく、軽やかで柔らかい素材を実現するのに苦労した。素材をゆるく柔らかくすると、どうしても毛玉やピリング・スナッグが起きてしまう。生地段階で50回以上、何度も試作と着用テストを繰り返した」と語った。さらに早く編むほど生産量は上がるが「スピードを上げると生地に負荷がかかり、たちまち締まったような感じになってしまう。通常の編み方よりも、ゆったりとしたスピードにコントロールした」。また、「価格と耐久性と風合い、商品自体の完成度のバランス」を熟考し、9%というカシミヤ混合率に着地した。
「天然のカシミアの風合いが生きる色展開」や重ね着した時の調和を重視したディティールは、「ユニクロ:シー」を手掛けるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が監修。カシミア混でありながら、量の確保と生産の前準備を行うことで従来の“極暖ヒートテックインナー”と同じ1990円という価格設定となった。XSから3XLの広いサイズ展開は、男性の着用も期待する。新しいヒートテックの提案となる同商品に対し「肌着というより、おしゃれなファッションピースとして売りたいという思いが強い」と抱負を述べた。