「ユニクロ」インナーMDが語る、肌着からファッションピースへ進化する“ヒートテック”
“ヒートテック”でもブラトップ発売
ウイメンズの新商品には“極暖ヒートテックリブブラタンクトップ”も登場する。海外では昨年から今年にかけ、SNSの影響もあってブラトップの人気が上昇しており「国によっては前期比2~3倍に伸長しているところもある」。中でもヒットしたのがアメリカンスリーブタイプで、新商品もそれを進化させたデザインになっている。海外でブラトップは下着として隠すものではなく「見せて着るアイテム」として認知されており、その海外需要を見込んで24年春夏はトップスとして着用するデザインを強化したが、日本でも「見せて着る」ブラトップの需要は高まり「もはや日本と海外の差はない」。そういったブラトップは夏向け商品だと思われがちだが「アメリカでは1月からアメリカンスリープのブラトップが動き出した。シアー素材の流行も後押しとなり、ブラトップはレイヤーアイテムとして1年中求められる商品となった。我々は従来のシーズンの考え方を変える必要がある」と分析する。
炬口MDは23年4月にパリのFRICPに異動し、海外店舗で客やスタッフの声を集め、グローバルに通用するインナーを目指しアップデートを行なっている。その成果の一つが6月に発売された“ワイヤレスブラ(リラックス Uネック)”だ。肩紐の長さが調整できるアジャスター仕様にし、ネックラインもVからUネックに変更。ソフトな樹脂パーツを内蔵し、ホールド感も上げている。これは国内外のボイス・オブ・カスタマー(ユニクロのコールセンターやECサイトに寄せられる消費者からのコメントのこと)はもちろんのこと、炬口MD自身が海外のショップスタッフから聞いた「快適なのは分かっているが、デザインに満足できず着用に至っていない」などの意見も反映されている。渡仏してから1年半が経ち、グローバルな視点で改善した数々のアップデートが形になり始めている。