「また“男性差別”で炎上?」牛角、しまむら、川口ゆりアナ…なぜ今夏、男性差別に怒る人が多発し、炎上が連鎖していったのか
特に牛角のキャンペーンは7日開催の「TOKYO GIRLS COLLECTION」に出展することを記念したものであり、半額にした根拠も「女性の食べ放題での注文量が、男性に比べて肉4皿分少ないというデータ」によるものだけに、これを「男性差別」につなげることの強引さを感じさせられます。 それ以前に、さまざまな店の価格設定で割引以前に男女の差があるものも多いのですから、その時点で「男女差別だ」というのが自然でしょう。
また、女性の来店促進は当然の企業戦略であり、これが批判されるようであれば、カップル割引、グループ割引、学生割引なども、「恋人がいない」「友達や家族がいない」「学校に行けない」という人への差別となり、成立しなくなってしまいます。 冷静に見たらこれだけ「男性差別」には結びつきにくいものが大きな話題になってしまうのは、「大炎上」「物議」「批判殺到」などと感情をあおるネットメディアが多いから。これらのネガティブなフレーズを交えたタイトルはPVなどの数字を稼げるため、複数のメディアが一部の声を誇張する形で報じています。
■「把握」「考慮」で無用な対立は減る 「男性差別」の話題が連鎖した背景にあるのは、ある話題をネガティブな方向へ進め、無用な議論を生み出そうとする、一部の人とネットメディアのタッグ。世の中にいがみ合う構図を作り出すような両者の関係性がトラウデンさんと牛角の話題を「男性差別」につなげてしまったという感は否めないのです。 ただ、一部の人もネットメディアも、本気で怒り、問題提起したいわけではないため、次の話題が出れば関心はそちらに移っていくのでしょう。まるで焼き畑農業のようにあちらこちらを燃やしていくという行動パターンは過剰に傷つけられる人を増やすだけで、社会にも人間にも優しくないように見えます。
そんな一部の人とネットメディアによるネガティブな連鎖を止めるためにはどうすればいいのか。 大切なのは1人ひとりが「できるだけ正確な状況を把握しようとする」「前提や理由がないか確認し、それらがあれば考慮する」という姿勢を持つこと。たとえば牛角の件では、「『なぜ女性だけを半額にしたのか』を知るためにネット上のリリースを見る」ことはその第一歩でしょう。 その他のケースでも、たとえば「レディースデーを導入した店の狙い」や「女性専用車両が導入された経緯」などを知ろうとする。あるいは、「逆に男性だけが得られていることはないのか」なども考慮する。