「また“男性差別”で炎上?」牛角、しまむら、川口ゆりアナ…なぜ今夏、男性差別に怒る人が多発し、炎上が連鎖していったのか
「パパはこういう感じ」「男性は体臭がありケアが甘い」「政治家は高齢のおじさんばかり」「男性は女性よりたくさん食べる」などのイメージに「決めつけるな」「偏見だ」と反発している様子がうかがえます。 しかし、むしろイメージに助けられるケースもあるなど、ステレオタイプな表現がすべて悪いというわけではないでしょう。問題は男女の違いをベースにステレオタイプな表現をしてしまうこと。 さらに「女性のために」という意味合いを強調するほど、男性をおとしめるなどの悪気はなくても「差別」という印象につながってしまいます。
たとえば、しまむらは「子ども服を買う本人であろうママのガス抜き」、フリーアナウンサーは「男性の体臭に悩まされる女性のために」、トラウデンさんは「女性の政治進出が進んでほしい」、牛角は「女性にも気軽に食べ放題を楽しんでもらいたい」などの思いが感じられます。 出発点となるこれらの思いそのものは良いことであるにもかかわらず、伝え方を間違えただけでこれほど叩かれてしまう。さらに、釈明しようとしても受け入れてもらえず、嵐が過ぎ去るのを待つしかないところに怖さがあります。
では、なぜ今夏、「男性差別」の話題が連鎖しているのか。 これまでも何度か「男性差別だ」という声があがるケースはあったものの、今回のような連鎖はありませんでした。しかし今夏は、しまむらに続いて「体臭」というセンシティブな話題で男性が対象にあげられたため、「これまでたまりにたまっていた不満が爆発した」というムードがただよっています。 一方で、トラウデンさんと牛角の件はその余波に過ぎず、実際のところ「男性差別だ」という批判より擁護のほうが多く、「怒りの流れにのまれた」という感は否めません。
つまり、長年積み重なってきた不満が、1つのきっかけによって噴出し、「男性差別だ」とまでは言えず「男性差別かもしれない」というレベルの出来事も問題視されているのでしょう。 ■まだまだこの連鎖は続きそう 本来、しまむらは「夫婦関係」、フリーアナは「臭いのエチケット」、トラウデンさんは「女性の政治参画」、牛角は「飲食店の割引サービス」が話題の中心になってもいいところ。 しかし、「男性差別」がメインの話題になったのは、「これまで我慢してきた」という不満があり、「それを爆発させる機会をうかがっていた」という男性がいるからではないでしょうか。