世界が注目する建築家・石上純也の代表作10選。型破りなデザインの魅力とは?水庭から洞窟レストラン、湖に浸かった美術館まで。
【9】サーペンタイン・パビリオン2019/イギリス
サーペンタイン・パビリオンは、ロンドンのケンジントン・ガーデンにあるサーペンタイン・ギャラリー主催のもと、毎年異なる建築家の手で設計されるパビリオン。2019年に石上さんが設計者として選ばれました。 黒い鳥の翼のようにも見えるこの屋根は、すぐ横に建つギャラリーと同じく英国北部産のカンブリア・スレート材 約61tからできています。 石葺きという古来から伝わる構法を用いながら、新たな風景を生み出そうと試みたプロジェクトです。 所在地:現存せず
【10】水の美術館/中国
2023年末にオープンしたばかりの最新作。中国山東省日照市の開発地域に計画された、展示スペースとビジターセンターとショップなどを兼ねた複合施設のプロジェクト。 全長はなんと約1km。中国の風景の広大なスケール感を受けて「環境と建築を対等な存在として捉えること」が設計のテーマとなったそうです。 人工湖の上に帯のように浮かぶ屋根の下には、湖の水がガラス下部の隙間を通じて引き込まれており、洲を思わせるなだらかな床面が延びています。 自然を建築から切り離すのではなく、文字通り取り込むことで、建築の内側と外側の風景が溶け込んだような空間を実現した建築です。 所在地: 中国山東省日照市